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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2005年5月1日放送

特集

サッポロビール

ゲスト

福永勝さん(サッポロビール代表取締役社長)

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老舗ビール会社のピンチ!

激しい商戦が繰り広げられるビール業界。
その中で、今最も輝く会社…それは、サッポロビール!
昨年新アルコール飲料の「ドラフトワン」が発売されましたが、業界では1000万ケースの売り上げが大ヒットと言われる中で、何と3750万ケース、9億円の売り上げを突破!!
新たな第3のビール市場をサッポロビールが開拓したのです。

そんなサッポロビールの社内の雰囲気はというと、活気に満ちていました。
ですが、ドラフトワンの発売に至るまでには、苦しい時期もあったようです。

サッポロビールは明治9年に北海道で生まれた、日本で最初のビール会社。
現在まで130年に渡ってビールを造り続けた老舗です。
ビールの歴史をひも解いてみると、今日に至るまでに大きく分けて4つの時代を経ていました。

▼ラガーの時代
日本で長年造られてきたのは、貯蔵工程で熟成させるラガービール。
当時、市販のビールは鮮度を保たせるため、酵母をなくす熱処理が施されていました。
ところが、昭和の中頃から熱処理を施さない生ビールがビアホールで大人気に!

▼生ビールの時代
そこで1977年、サッポロが熱処理無しで酵母を除去できる新技術を開発。
これにより一斉にびんや缶でも生ビールが発売され、しばらくの間ビール業界では生ビール戦争が続きます。

▼ドライの時代
1987年、アサヒから「スーパードライ」が発売されるや、ドライ戦争に突入!
発酵度を上げて糖分を少なくした、キレのある味が大ヒットしました。

▼発泡酒の時代
1994年にはサントリーから「ホップス」が発売され、今度は発泡酒戦争が勃発勃発!
麦芽量67%以下の新アルコール飲料で、ビールよりも値段が安く大評判しました。
このように、ビール戦争は、ラガー→生→ドライ→発泡酒と続きました。

そんな中、老舗サッポロが続けてきたのが「味へのこだわり」。
長年ビール通に愛されてきた「エビスビール」もサッポロブランドなんです。
あの本格グルメ漫画「美味しんぼ」でも、エビスビールが絶賛されていました!

その一方で、ドライ戦争ではアサヒ、発泡酒戦争ではキリンに軍配があがり、サッポロビールはビール業界で第3位の位置に低迷しました。
平成14年には経常利益が24億円にまで落ち込んでしまうほど、困難を強いられていた時期もありました。

「ドラフトワン」発想の大転換のひみつは「味のこだわり」

そんな時、サッポロが世に送り出したのが新アルコール飲料「ドラフトワン」でした!
それには普通のビールと決定的な違いがあるといいますが…
それは、何とビールの原料である麦を一切使っていない!!
味にこだわり続けてきた老舗のビール会社が、なぜこのような決断を下したのでしょうか?

そこで、新アルコール飲料「ドラフトワン」を開発した、バイオリソース開発研究所副所長の柏田修作さんを直撃しました!

柏田さんによると、ビールの売り上げは1994年頃から下降線を辿ってきたといいます。
その理由は、ビールの特徴でもある苦味や臭みから飲みにくいと感じて嫌う若い人が少なくないから。
そこで、柏田さんはビール独特の苦みや臭みのない「スッキリ味」を目指し研究を始めたものの、麦を使う限り麦の持つ渋みや苦味は取れませんでした。

では、一体どうすればいいのか??
悩んだ末、柏田さんは麦をいっさい使わない!という結論に至ったのです!!
「麦はビールの魂」とも言われる一方で、それをあえて使わずに消費者が求める味を作る、という「味へのこだわり」が生んだ発想の大転換が成功の鍵となりました。

さて、麦を使わずにスッキリした味のモノを作ろうと、柏田さんは試行錯誤で研究を重ねていきました。試した食材は200種類にも上るといいます。

その結果見つかったのが、何とエンドウ豆の「エンドウたんぱく」!
それを用いて「スッキリ」した味を作ることに成功したのです!!

広告展開も「スッキリ」味を全面にアピール。
その結果、消費者の志向を掴みドラフトワンは大ヒット!!
それによって、一時期24億円に落ち込んでいた経常利益も、何と180億円を突破!

また、ドラフトワン発売前は300円台だった株価も、500円台にまで上昇しました。

第3のビールといわれる新アルコール飲料で新しい市場を開拓することによって、サッポロビールはV字復活を成し遂げたのです!!

サッポロビールのこだわり「協働契約栽培」

そんなサッポロのこだわりはこれだけではないというので、我々は埼玉県の麦畑へ。
すると、麦畑の中にスーツ姿の集団が…
実は皆さんは、全国で働くサッポロビールの営業マン。

自分たちの売るビールがどのようにしてできているかを、原料となる麦から学ぶために畑で勉強会を行っているのです。
サッポロに入社したら、一度は必ず参加するこの勉強会。
ビール会社ではサッポロだけという、麦の品種改良の現場も学びます。

そこで社員に勉強会を行っていたのは、バイオリソース開発研究所のフィールドマンの大串憲祐さん。
大串さんは、サッポロであるプロジェクトを行う重要人物。
そのプロジェクトとは…協働契約栽培!

協働契約栽培とは、ビールの原料である麦の栽培から農家の方と一緒になって、こだわりの味作りをするというシステム。
つまり、産地・品種・生産者を選定して契約し、栽培から加工まで協働して作ります。
「誰が」「どこで」「どのように」作ったかを全て把握し、より高い品質を追求することで、消費者に安心して購入してもらおうというのです。
サッポロビールは、2006年までに全てのビールの原料である麦芽とホップを100%協働契約栽培にしようと公言しています!

また、サッポロビールは世界中の麦畑で協働契約栽培を指導しているとのこと。
サッポロビールの「味へのこだわり」はとどまることを知りません!!

▼さて、スタジオではサッポロビール代表取締役社長の福永勝さんにお話を伺いました。
Q:ドラフトワンの発売を機に、サッポロビールは変わりましたか?
A:社員みんなが元気になりましたね。今までは新商品を出してもヒットせず、苦しい時期もありました。

Q:いくつか工場も閉鎖されたというお話も伺っておりますが。
A:苦渋の選択もしましたし、会社の構造改革も行いました。そのような辛い時期があったからこそ、いろんなことが変わり始めた「今」があると思っています。

Q:福永社長は、どのような部署から社長になられたのですか?
A:私は入社して以来営業の現場にいまして、九州から北海道まで全国を歩き回りました。

Q:社長に就任された時には相当嬉しかったんじゃないですか?
A:「嬉しい」とは一言で言い表せないような気持ちでしたね。自分で大丈夫なのか、という複雑な気持ちがありました。

Q:柏田さんから第3のビールをエンドウマメで作る、ということを初めて聞いた時には、どう思われましたか?
A:麦を使わないということは、ビール会社の醸造社としてはある意味自己否定みたいなものですから、そこまでやってきたことということは、柏田さんがものすごいマーケットマインドを持っていたからこそなんだな、と感じました。私にとって彼の存在は本当に大きかったと思いますね。

Q:「ドラフトワン」というネーミングにはどのような思いが込められているのでしょうか?
A:ドラフトには「生」という意味があります。ビールでもなく、発泡酒でもない第3の「生」を目指して、そこで一番になるんだ!という思いを込めて命名しました。

ビール業界の儲かる仕組みとは

このように、味にこだわり大ヒットとなった「ドラフトワン」ですが、ビール業界の儲かる仕組みに照らしても、これはとてもよくできた商品なのです!

▼ドラフトワン・儲かるキーワード(1)装置産業
ビール産業は装置産業の代表格と言われています。
装置産業とは、商品を作る工場に大金がかかる産業のこと。
しかし、商品を売れば売るほど大きく儲かる可能性もあるのです。
それはなぜなのでしょうか?

装置産業の商品の代金には、あらかじめ大きな工場代が上乗せされています。
例えば100万円で工場を作った場合、100円の商品に50円の工場代が上乗せされているとします。すると、100円の商品が2万個売れてしまえば、2万×50=100万となり、工場代が解消できます。
そうなれば、利益もその分多くなるので、後は売れた分だけどんどん儲かりが大きくなる、というのです。

実はドラフトワンは、発泡酒と同じ工場で生産可能。工場を作る必要がなかった分、余計好結果をもたらしたのです!

▼ドラフトワン・儲かるキーワード(2)酒税
売れれば売れるだけ儲かる仕組みのビール業界なのですが、長年障害になっているものがあります。
それは、酒税!

一体どういうことなのでしょうか?
酒税について詳しい、ビール評論家の田村功さんに聞いてみました。

田村さんによると、先進国とビールにかかる酒税の割合を比較してみると、日本の酒税はとんでもない高さになるとか!

また、日本の他の酒であるワイン、日本酒、ウイスキー、焼酎などの税率と比べても、ビールはダントツ!

つまり日本のビール会社は酒税が高い分、利益率も低くなってしまうのです。
第3のビールといわれるドラフトワンは、ビールとも発泡酒とも違う新たなアルコール飲料。種別は「その他の雑酒(2)」。

酒税法に基づくと、お酒は大きく10種類に分かれます。
その中の雑酒を細かく3つに分けたうちの一つが、その他の雑酒。それをさらに二つに分けたうちの一つが、その他の雑種(2)。
つまり「その他の雑酒(2)」とは、どこにも属さないお酒なのです。

そして、「その他の雑酒(2)」はお酒の中でも一番税金が安く、何と19.4%!

酒税が安い分値段も安くすることができるため、350ml缶で125円というお手ごろ価格!
消費者にとってもメーカーにとってもおいしいドラフトワン、と言う訳なのですね!

この春からは、夏に向けてキリンやアサヒも第3のビール市場で参戦!!
そこでサッポロは次なる一手を!それは、「スッキリ味」に「ヘルシー志向」を加えた新商品「スリムス」を発売するというのです。(関東甲信越では5月25日、その他の地域では6月22日に新発売)

ところが、政府内には第3のビール「その他の雑酒(2)」に増税するという動きも。
ますます目が離せないその他の雑酒・市場!
ビール業界のパイオニア、サッポロに明日がかかっているのです!

福永勝社長に直撃!

▼スタジオでは、引き続いて福永社長にお話を伺いました。
Q:その他の雑酒(2)の酒税を見直そうという動きがありますが、それは困りますよね…?
A:ドラフトワンはこれだけ多くの方に支持して頂いているのに、それが増税になるとしたら、私どもは断固反対の姿勢をとります!!

Q:消費者にやさしいものをやさしいもののままにしておくためには、何が必要だと思いますか?
A:このような増税の見直しの動きに対しては、私どもはもちろん、皆さんからもぜひ大きな声で反対の声を上げていってもらえたら、と思います。

Q:新商品「スリムス」が発売されましたね。
A:こちらは糖質、カロリーなどを大幅に減らしましたので、ビールのようでありながら究極の健康系ともいえますね。

Q:さらなるヒットを狙うサッポロの新しいビジネスについて教えて下さい!
A:それはワインです!今アメリカで一番売れている輸入ワインのブランドは、オーストラリア産の「YELLOW TAIL」といいます。私どもは日本での販売権を勝ち取りましたので、すでに「YELLOW TAIL」の販売を始めています。これがなかなかいい結果を出していますので、今後大ヒットするのではないかと期待しております。750mlで1050円と、手ごろな価格でワインが飲める点がおすすめですね。

ビール業界を第一線で率いるサッポロビールのビジネスに、今後も目が離せません!!

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