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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2005年3月13日放送

特集

業界の常識を覆す!MKタクシー

ゲスト

青木定雄さん(MKタクシーオーナー)

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業界の常識を覆し続ける儲かり会社

千年の都、京都。ここに業界の常識を覆し続ける儲かり会社がありました。
それが…京都の街の中を縦横無尽に走る車!MKタクシーです!

京都をはじめとして大阪、東京、神戸に名古屋と拡大を続けるMKタクシー!
今や年間売上げは150億円に急成長!
そんな会社を一代で築き上げたのが、タクシー業界の異端児、青木定雄オーナー。御年76歳!
アグレッシブに動く青木オーナーは、日本で一番、儲かり技も編み出し、そして、日本で一番お役所と喧嘩をしてきた、とんでもないタクシー経営者なのです!

そこで今回の放送では秘密がたくさん詰まったMK流儲かるサービスに迫りました。

午前6時のMKタクシー本社。
あたりがまだ薄暗いなか、深夜の営業を終えたタクシーが次々と戻って来ていると、そこへ一台のタクシーが到着。
誰が乗っているのかと思えば…、降りて来たのは青木オーナー。
わざわざタクシーで出社のようです。
これって何か意味があるのでしょうか?
普段からタクシーを使って、常に現場に接していたいというオーナー。
なんと自家用車も持っていないそうです。

会社に到着するやいなや、とにかく挨拶をしまくるオーナー。
これがMK流の基本ということでしょうか。
挨拶が確実にされるまでには10年もかかったとか…。
ようやく外の従業員に挨拶を済ませ、社内に入るとオーナーが階段を昇ってどこかへ向かいます。

やってきたのはMKタクシーの司令塔と言える無線室。

お客さんからの予約の電話が朝早くからひっきりなしに入っているようですが、なんとオーナーは無線を使って朝の挨拶を始めちゃいました。
一度に運転手全員を集めるのは大変。
ということで、お客さんにも聞こえたままでも構わず、乗務員へMK流の理念を教えてしまっていたのでした!!!

挨拶こそ全ての仕事の基本というのがオーナーの考え。
乗務員は新人研修でお客さまとのやり取りをみっちりと叩き込まれるんです。
まるで営業マンや販売員のように大きな声で発声練習。皆、真剣です。

かつては「挨拶できなければ料金はいただきません!」なんて売り文句を掲げていたことも…
実は、MKタクシー青木定雄の儲かりの歴史はタクシー業界の常識と戦い、国の規制と戦い続けた、まさに、「反逆」の歴史なんです!

MKタクシー反逆の歴史

▼反逆の歴史その1 値下げ戦争
青木オーナーがMKタクシーをはじめた1960年代。
当時は全国的にタクシーのサービスが不評でした。
近場の客は儲からないから乗せない、という運転手が続出。
乗車拒否といわれ社会問題になっていたのです。
お客からの値段交渉で気に入らない場合は素通りしてしまったり、2年に1度各社そろって値上げをするのが業界の慣例だったため、タクシーは高いというイメージが出来上がり次第にお客さんがタクシーを使わなくなっていたのです。

ところが1981年。
例年通りの値上げを前に突如、MKタクシーは1社だけ料金の据え置きを宣言します。
これにタクシー料金を管轄していた運輸省が大反対!

その理由となったのが、同一地域同一運賃の原則。
「同じ地域では同じ料金でないとお客が混乱するし安全面も心配だ!」というのです。

結局周りと同じように値上げをすることになってしまった青木オーナー。
お客さんとの約束を守れなかったということで割引券を配りました。
しかも京都市内の全ての家に!
その後裁判に訴え、執念で「値下げしても問題なし」と認めさせ、MK=値下げというイメージを作り上げたのです。

当時、タクシーにつけていた表示灯も値下げをアピ−ル。
ちなみにその後、他社も値下げをするようになってからはオリジナリティがないということで変更されてまたまた安さをアピール。
ライト1つにも、こだわりがあります!

▼反逆の歴史その2 名古屋無料タクシー
現在、京都以外でも営業しているMKタクシー。
ところが2001年、名古屋進出の時、お客さんと契約を結んでいたにも関わらずなかなか国の営業許可が下りないという非常事態が起きました。
開業が遅れるピンチにオーナーが考えだしたのが…、なんと「無料タクシー」!

無料だから「営業」じゃない、だから許可がいらない、というわけです。
これまたお役所と揉めに揉めたものの「違法ではない」という判決を勝ち取り、本当に無料タクシーを走らせてしまいました。

MKタクシー儲かりの仕組み 独立採算制

規制でがんじがらめだった業界に次々と風穴を空けたMKタクシー青木オーナー。

しかしお詫び券にしても無料タクシーにしても儲けとは反対のことばかりのような気がしますが…。
オーナーに聞いてみると、昔は年間の割引額が600万にも上ったことも。
けれどお陰で割引対象の人の周りにまでMKタクシーを利用する人が増えたとか…。

目先は損でも、将来的には得。
お客さんの信頼を勝ち取り、MKを選んでもらえれば当然、儲けも増えるという発想からでてきたアイディアなんだそう。
これこそ、MK流儲けの真髄なんです。

さらにさらに、MKタクシー儲かりの仕組みが、独特の給与体系にありました。
その名もMKシステム。

一般のタクシー会社では、一日の売上げのうち一定の割合、例えば6割が乗務員の給料に、残りは会社に入ります。
そのかわり燃料代や車の維持費など必要とされる経費は、全て会社持ちとなります。

ところが、MKシステムでは乗務員一人ごとの独立採算制をとっているんです。
つまり、自分の稼ぎの中から燃料や修理代、会社の事務費用、果ては制服代まで負担するといシステム。

これにより、経費を節約すれば、その分手取りが増え給料が多くもらえるというわけ。
結果、コスト削減意識が芽生え、整備代が掛かるような乱暴な運転も減り、会社としてもお客としても安心なシステムになってるのです。

MKタクシー儲かりの仕組み 実車率アップ!

青木オーナーによるとこのMKシステムはタクシーならではのお金の流れにうまくマッチしているそうなんです。

なぜかといえば…。
タクシーは一日走らせるのに経費が7000円掛かるそうで、それはお客を乗せても乗せなくても同じこと。だからその7000円を差し引いて、より多くのお客を乗せたタクシーが儲かっていることになる。
つまり、実車率の高いタクシーこそより儲かっているというわけなのです。

実車率とは、営業時間に走った距離のうち実際にお客さんを乗せていた距離の割合。
空車でいるよりは、どんなに近い距離のお客さんでも乗ってもらった方が、乗車率が上がり、乗務員の稼ぎが増え、結果的に会社も儲かるという考え方なのです。
「お客さんをどこに運んでも、そこには次のお客さんがいるから大丈夫!」と、オーナーは自信満々でした。

そこでこの考えにのっとり、できるだけ空車時間を減らし、実車率を上げるためのMK最大の武器、それは無線室に設置されたGPSと呼ばれる位置測定システム。
これを使って独自の配車システムを作ったのです。

一般のタクシーでは、お客さんから予約が入ると会社が無線で全車に呼びかけます。
すると、近くの乗務員が自ら応答してお客さんのところへ向かいます。
一方、MKでは、コンピューターがお客さんまで一番近い空車を探し出し自動的に配車の指示をするのです。

京都市内を走るタクシーを緑=空車、黄色=お客さんが乗っている実車、赤=お客さんのところに向かっている予約車というように色分けし、どこに空車がいるかをすぐ分かるようにしているため、無線で呼びかけなくても一番近い車が効率よく配車され、お客獲得のチャンスを逃さないというわけ。
結果的に、システム導入前に比べて2倍もの予約客を獲得できるようになりました。

MKタクシー儲かりの仕組み お客さんの満足度アップ!

実車率を上げるためのもう一つの工夫がありました!!
それはお客さんの満足度をアップさせること。
京都駅前には豪華なMK専用の乗り場があり、中でゆっくりとタクシーを待つことが出来ます。

また、割引制度も充実しています。冠婚葬祭のときに大人気という着物割引なんてのもあります。
和服を着ている人なら誰でも料金オフ!

さらにさらに、市民との信頼関係も大切な要素も見つけました!!
なんと、お客さんから寄せられたお礼の手紙を会社でまとめて本にし、乗務員全員が読むことにしていたのです。

手紙の内容には、「車いすを押してくれたときは大変だったでしょう。荷物を持ってくださったこともとってもうれしかったです」なんていうモノも。
この本には苦情もいくつか載せられています。
でも、そんな苦情も青木オーナーは、ビジネスチャンスに変えてしまいます。
「苦情処理の解決が企業の発展につながる。いかに早く対処するかに鍵がある。」とオーナーは言います。
匿名で、とあるクレームが来たときは、なんと立て看板を道路にたてて「謝りたいので名乗り出てほしい」と乗務員が交代で呼びかけたこともあるんです。

これにはびっくり!
将来にわたって乗り続けてもらうためにはいつでも、どんな場合でもお客さんとまっ正面から向き合う。
それが、MK流儲かるサービスの極意だったのでした!!

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