過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2005年3月6日放送

特集

儲かるコーチング

ゲスト

桜井一紀さん(コーチ21取締役副社長)・大林素子さん

番組内容

みなさん、コーチングってご存知ですか?
コーチングとは人間の潜在能力を高める不思議な会話のテクニックのこと。
今、儲かっている人はみんなこれを使っていました!!
そこで、今回の儲かりマンデーはこの「コーチング」を徹底検証しました!!!

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コーチングってご存知ですか?

コーチングとは、上司が部下の潜在能力を最大限に引き出す、会話のテクニック。

でも、なぜ今コーチングが必要なのでしょうか?
コーチ21の認定コーチ佐藤陽子さんによると、従来の終身雇用などといったスタイルが変化してきている中で、今までの支持命令型のコミュニケーションが機能しなくなってきているからだそう。

今時の上司はどなって叱るだけじゃだめ!根性論で部下を指導するのはもう古い!!というわけで今、コーチングが注目されているんです!!!
コーチングの技術を学んでいるのは企業の管理職やマネージャーの人たち。
その技術を身につけた管理職、つまり上司が部下をコーチングする→コーチングが連鎖されていく、というわけなのです。

コーチング基本テクニックその1 オープンクエスチョン

部下に仕事を頼むとき、こんな会話をしていませんか?

上司:この仕事を君にやってもらいたいんだけど、いいかな?
部下:はい、分かりました。
上司:そうか、一週間でできるかね?
部下:ちょっときびしいんですが…

この質問の仕方では、部下は「はい」「いいえ」でしか答えることができず、会話が続きません。
これをクローズドクエスチョンというのです。
けれど、この会話をコーチング的なアプローチに変えてみると…

上司:この仕事を君にやってもらいたいんだけど、どんな風に進めたらいいと思う?
部下:それなら、加藤さん進藤さんとチームを組んでやりたいと思います。
上司:いいね、そのアイデア。で、いつ位までに出来そうかね?
部下:一週間あればできると思います。

「はい」「いいえ」で答えられないような質問をする、これがオープンクエスチョン。
このアプローチなら部下自身に考えさせることによってアイデアを引き出し、達成率を上げることが出来るのです。

そんなコーチングを取り入れて日本で一番成功した会社を発見しました。
それはその会社の社長がコーチングの導入を強力に推し進めたのがきっかけでした。
その社長とは…皆さんも知ってる、あのカルロス・ゴーン日産自動車社長です!!!
日産ではゴーン改革のもと管理職へのコーチング研修が行われ、今では2000名以上、ほぼすべての管理職がコーチングを取り入れて部下を指導しているのです。
常務の渡邊邦幸さんも、上司がコーチングのトレーニングを受けてから職場に戻る時、自らの行動姿勢が変わることによって部下にも影響するとコメント。
右肩上がりを続ける日産の業績の裏側には、ゴーン改革の一環で導入されたコーチングによる社内の活性化があったのでした。

コーチング基本テクニックその2 リフレイン

またまた職場でよく見かける光景ですが…

上司:最近調子はどうだ?
部下:それが今ひとつなんですよ。
上司:そんなこというなよ、がんばれよ!
部下:はい…

確かにこれでは、問答無用でみもふたもありません。
この会話をコーチング的なアプローチに変えてみると…

上司:最近調子はどうだ?
部下:それが今ひとつなんですよ。
上司:そうか、今ひとつか…。大変だと思うけどがんばれよ。
部下:はい!

今のアプローチのどこが良かったのかというと、「いまひとつなんですよ」「いまひとつか」と繰り返す事、つまり同調行動をするということです。
部下の状態を上司が理解してくれることによって信頼や安心感が高まり、次の行動につながる確率が高くなる。
つまり、相手の言葉をリフレインすることでより深いコミュニケーションが生まれるのです!

このコーチングという考え方、どうやって生まれたのでしょうか。
コーチの語源は「馬車」人を望むところまで送り届けるという意味。
19世紀、スポーツ界で選手をサポートする人のことをコーチと呼ぶようになりました。
それから1世紀以上、コーチとは選手より上の存在で技術と理論を厳しく教えるものだと考えられていました。
しかし1970年代のアメリカで、現代コーチングの開祖と呼ばれる男がこれまでとは全く違う革新的な指導法を提唱したのです。

それは…
「人にはすでにうまくやる能力が備わっていて、コーチはそれを引き出す手助けをすればよい」
というもの。

技術を教えるのはティーチング、選手がすでに持っている技術を引き出すのがコーチングなのです。
先ほどの佐藤さんは、コーチングのスキルさえあれば、相手の能力を引き出しその強みを見つけて伸ばすことができると断言。
その道のスペシャリストでなくてもコーチングが可能なのです!!!

日本のスポーツ界にもこの方法でコーチングを実践し、トップアスリートを次々に育てた名コーチがいました!
マラソンの小出義雄監督、あの高橋尚子を初め、有森裕子、鈴木博美など、日本を代表する長距離ランナーを育てたコーチです。

「選手が伸び悩んでいるときは、まず、君はどう思う?と聞いて問題解決の糸口を探す」
「とにかくほめる、欠点を指摘する前にほめる。それは絶対評価で誰とも比べない」

このコーチングに則ってみれば、選手はほめられて→のせられて→オリンピックで金メダル獲得!!!と見事に成功してしまうのです!!!

コーチングは1980年代になるとビジネスの世界でも広く知られるようになり、IBM、AT&Tなど大企業の多くが管理職研修にコーチングを取り入れ業績を伸ばしました。
AT&Tのトップは、「ビジネスが成功し、売上が伸びたのはコーチングのおかげ」と公言しています。
さらに、92年にプロのコーチを養成する機関「コーチユニバーシティ」が設立され、現在、アメリカでは1万人を超えるビジネスコーチが活躍しているそうです。

コーチング基本テクニックその3 WhyよりWhat

あなたは、こんな間違いをしていませんか?

上司:例の件、明日までにやって欲しいんだけど…
部下:いや、ちょっと今難しいんですよ。
上司:なぜ出来ないんだよ。
部下:いや、それがその…

言い訳からは前向きな意見が生まれる事はありません。
この会話をコーチング的なアプローチに変えてみると…

上司:例の件、明日までにやって欲しいんだけど…
部下:いや、ちょっと今難しいんですよ。
上司:じゃあ、どんなサポートがあれば出来そうかな?
部下:ん…今の仕事を加藤さんと分担できれば、明日中には…

自らの解決策を探させるにはWhyよりWhatが効果的。
「なぜ」ではなく「何をすれば」に変えれば、部下の行動力UPは間違いなしなのです!!!

このように、コーチングとは部下の潜在能力を最大限に引き出す技術。
そこで、もうすぐ入社4年の川田もアナウンサーとしてのキャリアアップを求めて、プロのビジネスコーチを訪ねました。
「はい」「いいえ」で答えさせないオープンクエスチョン。
リフレインで信頼関係を深める。
このコーチングの効果によって、初めてだけにちょっとテレ気味な川田も、徐々に慣れてきたのか、川田は自分の夢・目標をせつせつと語り続けたのです!!

答えはすでに相手の中にある、それを上手に引き出すのがコーチングなのです。

今回のゲストの桜井さんによれば、「自分で思っていることを声に出して何度も考えることによってコーチングが確立していく」のだそう。
一方、根性論で鍛えられた大林さんですが、後輩の指導に対しては「表と裏を使い分けたコーチングをすることによってうまく選手を乗せようとしている」そうです。

コーチングをマスターして、部下の業績UP!

名古屋にコーチングを完全にマスターして、部下の業績を大きくUPさせた男がいる!という情報を得たので、訪ねてみました!
その男とは、カシオ計算機で人事情報システムを販売する部署の統括所長、大山さん、この部署のトップの方です。

部下の方に大山さんのことを聞いてみると…
怒鳴られなくなって、かつコーチングで社内が明るくなったそうです。
コーチングで一石二鳥!!!

次に、日産ディーゼルの保養施設で、管理職向けのコーチング研修が行われていると聞いてやってきました。
研修を覗いてみると…40代後半から、50代前半のおじさまたち(部・課長クラスの方々)がずらりと並び、二人組みになって上司役と部下役に分かれてのロールプレイ、会話の練習をしていました。
みなさん、緊張気味でぎこちないものの、とっても頑張っていました!!!
それもこれも、部下ともっとうまくコミュニケーションをとりたい!という熱い気持ちから。
今、このコーチング研修が毎日どこかの企業で行われているんです。

実際に研修の成果を見せていただきました!!!
上司の町田さんはコーチング歴4ヶ月のまだ初心者ですが、リフレインで部下の心をつかみ、「はい」「いいえ」で答えさせないオープンクエスチョン。
確かに指示命令調は一切無し。部下はよくしゃべっています。

そして今、上司が部下をコーチングするのとはまったく違うコーチングが脚光を浴びていました!!!

それが…
ONE ON ONEコーチング。

個人が家庭教師のようにプロコーチを雇って、コーチングをしてもらうこと。
もちろん、コーチは相手の業務に対する専門知識を全く持っていません。
それでも大丈夫なんです!!!
コーチングは答えはすでに相手が持っていてコーチはそれを引き出すだけですから!!!
先ほどの日産の人事部のトップ、渡邊常務にも個人コーチが付いているそうです。
仕事上の利害関係がないコーチと会話をすることで新しい発見が生まれる、というわけです。
奥深いコーチングの世界、あなたも個人コーチつけてみませんか??

「コーチングは、専門知識を教えるわけではなく、相手のやりたいことを引き出して行動を起こさせるようにつなげてあげること」と言う、ゲストの桜井さん。
今後の目標としては、学校でコーチングが生かされるようにしたいとか…。

そしてそして、最後に初対面の人とも仲良くなれるコーチングにおける極意を教えていただきました!!!
それは、会えた瞬間・この空間を嬉しいとアピールすること!!!
これであなたも、コーチングのプロフェッショナル!?!?

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