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「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

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2005年1月16日放送

特集

ヒット商品に隠された最先端技術

ゲスト

伊藤洋一さん(株式会社住信基礎研究所主席研究員)・若槻千夏さん

番組内容

世の中を賑わすヒット商品の数々。
そんなヒット商品の裏側を探ると…日本が誇る「先端技術」がありました。
今回は儲かるための必須条件、「最新技術」に大注目しました!

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家電ヒット商品でビタミンCが大人気?(家電業界)

最近の家電ヒット商品の中で共通するキーワードを発見!それは…健康!
中でもビタミンCが大人気。

美白や老化予防が期待できますが、これまで熱に弱い・酸化しやすい・水に溶けやすいといった弱点が。しかし、その弱点を逆手にとった新技術で次々とヒット商品が誕生していったのです。

▼その1 ビタミンCを減らさない新技術
一見従来のオーブンとあまり変わりませんが、実はこれ、とんでもない優れモノ。
何と、水で焼くオーブンなんです!

シャープから発売されたこのヘルシオは、超高温の加熱水蒸気を吹き付けて調理するんです!
加熱水蒸気とは、100度の水蒸気をさらに熱したもの。
普通水蒸気に火をつけることはできませんが、加熱水蒸気だと火がつくのです。
その熱量は従来のオーブンのおよそ8倍なんです!

また、シャープ調理システム営業の首藤昭彦さんによると、通常のオーブンは空気にふれた状態で加熱するため、食品の中のビタミンCは酸化し壊れてしまいますが、ヘルシオの場合、中は熱い水蒸気で満たされているのでビタミンCが壊れない、という新技術を使っているのだそうです。

さらに、余分な油や塩分もカットする、まさに健康家電!

そんなヘルシオは発売以来、3ヶ月でなんと3万台を売り上げ、ボーナス商戦の主役となりました!
おいしく料理できる上に健康にもいい、新世代オーブン。これも新技術の賜物なのです。

▼その2 ビタミンCを増やす新技術
こちらの冷蔵庫。野菜室の中をのぞくと、奥のほうに何やらオレンジに光る物体が…

これはLEDといわれる電球で、この光りを浴びせると、何と野菜自ら光合成をして、ビタミンCなどの栄養素を増やすという世界初の技術なんです!
このLEDは発熱が少なく、光合成に良い波長の光だということで採用されました。

ビッグカメラ有楽町店の矢野隆司さんも「置いていただくだけで野菜の栄養値が上がりますので、お客様の人気は高いですね」とお話していました。

▼その3 ビタミンCを作り出す新技術
富士通ゼネラルで開発された空気清浄機は、何と空気中にビタミンCを吐き出すという画期的なもの。

富士通ゼネラルの永吉健太郎さんのお話によると、ビタミンCが空気中の水分に溶け込むことでビタミンCが放出されるのだそうです。
そのカラクリは、特殊な方法でビタミンCの粉末を練り込んだセラミック製のフィルター。

しかもなんと、空気中にビタミンCが多いと、肌の保湿効果があるんです!
その空気清浄機の効果を探るべく、空気中のビタミンCによって肌の水分量がどう変わるのか実験してみました。

通常時の肌水分は35.7%でしたが、ビタミンCで満たされた空間に腕を入れてビタミンCを浴びた後に肌水分を調べたら…何と38.1%にまで増えていたのです!
しかし、これほど空気に溶けやすいビタミンC。
裏を返せば、それはすぐになくなるということ。
それを解決するために空気清浄機内部の仕組みにそのヒントを発見しました。
そして、無数の穴を持つセラミックでフィルターを作ってその小さな穴にビタミンCを閉じ込め、ゆっくり放出する仕組みを完成させたのです。
結果、当初予想の2倍もの売り上げを達成!見事な儲かり技術です。

水なしで飲める薬、染めない白髪染め(医薬品業界)

新技術はエレクトロニクス分野だけではありません。
続いては、水なしで飲める「ストッパ下痢止め」という薬。

しかしよくよく考えてみると、別に水で飲んだっていいじゃないかと思うんですが…

そこで早速、ライオン(株)の研究所を直撃!
「ストッパ下痢止め」の開発者であるライオン主任研究員の猪塚隆さんにその疑問をぶつけてみたところ、最近は約7割が外出先で起きているという、ストレスから来る下痢も増えているので、どこでも飲める携帯型の下痢止めを開発したとのことでした。

水なしで飲めるということは、口の中ですぐ溶けなければなりません。
それを可能にしたのが、口腔内速崩壊技術!
この技術は、以前猪塚さんが研究していた洗濯用洗剤を溶けやすくするノウハウを生かし、水に溶けやすい粒子を配合して開発されたそうです。
まさにライオンが持つ技術を詰め込んだおかげで、新商品にも関わらず一気に下痢止め薬で第2位のシェアを獲得!
さらに、水のいらない胃腸薬も作られました!

さらに、資生堂でも常識を変える健康商品が開発されていました。
それは…「染めない白髪染め」!

実はこれ、白髪を根本から予防するという育毛剤なんです。
その中に黒髪に有効な成分を配合したのです。
その成分とは、何とビールの原料であるホップ!
ホップには、色素を作るメラノサイトという細胞を増やし、かつ元気にする働きがあることが分かりました。

なぜこのメラノサイトが大切かというと、白髪ができる仕組みと関係しています。
白髪とは、髪に白い色がついているのではなく、色がなくなって無色になっている状態のこと。
もともと髪の毛は透明で、その中に色素が作られれば黒く見え、作られなければ透明のままですが、見た目には白髪になります。
そこでホップによってその細胞を遺伝子レベルで元気にして黒い色素を作らせようということなのです。

そこでホップによってその細胞を遺伝子レベルで元気にしてちゃんと色素を作らせようということなんです。

ゲストの伊藤さんのお話によると、最近のヒット商品は基本的な機能があるのが当たり前で、それに付加した価値が消費者に訴えていく時代になっているそうです。
また、伊藤さんは、老化を防止するというアンチエイジングの効果を持つ商品に注目しているとのことでした。

鼻歌で検索、おサイフケータイ、着うたフル、etc…
ケータイ業界最新事情!

続いては携帯電話における最先端技術。
毎月のように新製品が売り出されている携帯電話業界ですが、今年はサービスの分野で新たな技術が続々と登場するんです!

何と、鼻歌で着メロが検索できるシステムが開発されたのです!
その開発者であり、情報科学博士であるのが、園田智也さん。
やり方はいたって簡単。検索サイトに接続して、鼻歌を吹き込むと曲を検索してくれるんです。
多少メロディがずれても、1万曲のデータの中からメロディが似た曲をリストアップ。
その正解率は何と90%以上!

そして今、各携帯電話会社もいろいろなサービスを充実させようとしています。
通信ジャーナリストの神尾寿さんによると、その理由は2006年夏に番号ポータビリティ制度が導入されるからだといいます。
番号ポータビリティ制度とは、別の携帯電話会社に乗り換えても自分の電話番号を引き続き使えるという、便利な制度。

我々ユーザーには選択肢が増える一方、携帯電話会社は顧客を確保するために競うように独自のサービスを充実させているという訳なのです。
そしてそこにも新技術が大きく関わっています。

神尾さんのお話によると、特徴的なのはKDDI(au)の着うたフルとNTTドコモのおサイフケータイという、二つの大きなサービスがあります。

まずは着うたフルの場合。
着信音として一曲丸ごとダウンロードできる着うたフル。
それを支えるのは音質を損なわないデータ圧縮技術、そして効率よく通信を行うための基地局のパワーアップ。
このおかげで、携帯電話を音楽プレーヤーのように使うこともできるようになりました。
ところがそこに儲かり技術が隠されていたのです。
それは、著作権を保護する技術によりユーザーを離さないという新たな戦略のこと。
着うたフルはKDDI(au)のケータイでしか聞けないということから、その技術が開発されたのだそうです。

そして、もう一つおサイフケータイの場合。
携帯電話にお金を貯めて決済できる仕組みはJRのスイカなどに使われているのと同じ技術ですが、通信できるメリットを生かして商品の支払いはもちろん、飛行機のチェックインをしたり、将来的には家の鍵の役割を果たすことも考えられています。
しかも、電子マネーや登録した個人情報などのデータは他の会社に移せないような技術が採用される、ということなのです。

ゲストの若槻さんにとっては、携帯電話は常に肌身はなさず持っており、なくてはならないほどの必需品だとか。若槻さんと同年代の女性は、ほとんど携帯電話をメール端末で使っており、電話の機能はあまり使わないそうです。

また伊藤さんは、最近のお気に入りの最先端技術の製品で、自分の好きな曲を入れられるiPODを紹介。

また、バーチャルキーボードといって、キーボードパターンを投影するデバイスと、キータッチを検出する位置検出センサーとから構成され、PDAと組み合わせることで、モバイル環境での快適な文章入力を可能にする次世代キーボードがスタジオに登場しました。(参考:NIPPON STYLE)
これまでは、指の太さのためにキーボードを小さくできないためにコンピュータも小さくできなかったですが、指の動きをセンサーで感じ取り文字化できる光キーボードが開発されれば、これからのコンピュータはいくらでも小さくできるだろう、と伊藤さんはお話していました。

これからは料金、端末の好みだけでなく、サービスの魅力でも携帯電話を選ぶ時代。
そして新技術により今年新たに始まりそうな携帯サービスが明らかに!
それは、マルチキャストといって、映像を多くのユーザーに一斉に送る技術のこと。
24時間体制で携帯電話が映像を貯蔵し、ユーザーが好きなときにそれを見れるようになるという、新しい形での映像の楽しみ方をサービスとして提供しようというのです。
今後、最先端技術がどう商品化されていくのか、楽しみですね。

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