過去の放送内容

「がっちりマンデー!!」毎週日曜あさ7時30分から

がっちりマンデー!!

過去の放送内容

2005年1月9日放送

特集

儲かりの心理学 〜心をつかんで大儲け!心理テク大公開!!〜

ゲスト

野田 稔さん(多摩大学経営情報学部助教授、(株)リクルート フェロー)・MEGUMIさん

番組内容

「儲かる!」その裏側には、必ずと言っていいほど人のココロを動かす心理があります!
買う側の心理、売る側の心理、はたまた企業の心理…。
儲かるためのカギは、いかにして人のココロを掴むか!?にあるようです。
この心理が織り成す出来事の積み重ねが、日本の経済の根本を作っているといっても過言ではありません!そう、「繁盛店」や「ヒット商品」には、私たちの心を巧みに操る心理テクニックが隠されているのです!

ゲストのお二人もすっかり心理作戦にハマってしまっているようで、MEGUMIさんは大のスニーカー好き、「限定」や「レア」という言葉には弱いそうです。
また、組織心理学が専門なはずの野田さんも、「高いもの=良いもの」と思い、ついつい機能満載の電化製品を買ってしまったりするそうです。
そんなお二人にも参考になったであろう、今回のテーマは「儲かりの心理学」!!!
儲けの心理的テクニックを大解剖しました!!

■放送内容をシェアする

儲かりの心理学 その(1)口コミ

「儲かりの心理学」において「口コミ」は最強のマーケティング手法といわれています。
なぜ人は、口コミを信用するのでしょうか?
そこでキーワードになるのが「均衡理論」というもの。

例えば、仲のよい友達Bから「儲かりマンデー!すっごく面白いよ!」と聞かされます。
すると、彼に信頼を寄せているAさんはBさんに対して持っている信頼と同じくらい「儲かりマンデー」に対する信頼を高めて、無意識にバランスを取ろうとします。
これが均衡理論といわれる、口コミの効果。

また、ちょっと怪しいなと思う情報でも複数の人から同時期に聞いてしまうと、その信頼度は、極端にアップしてしまいます。
これが、最強のマーケティング手法といわれる所以なのです。

そんな口コミの手法で最近、ヒットを飛ばし続けているのが出版業界!!!
本屋さんでよく目にする手書きポップを知っていますか?
店員さんが、本を読んだ感想を手書きで広告しているものなのですが、今その手書きポップが、手書きの親近感から信頼を生み、口コミと同じ効果を発揮強力な儲けのパワーとなっているようです。
そんな効果が最近注目され、「儲けの必須科目」として、大きいビジネス系の専門学校などでは、手書きPOPの講習も行われるほどに…。

でもなぜ今、手書きなのでしょうか…。

華学園ビジネス専門学校のポップ鈴木先生によると、最近は消費者がパソコンでできるものとできないものの違いを分かってきて、きちんと並びすぎたパソコンの字では感情がないと思ってしまい、手書きの温かさがウケるそうです。

ところで本屋さんの手書きポップ、一体、誰が始めたのでしょうか…。

実はそのきっかけを作ったのは、千葉県習志野市にあるBOOKS昭和堂の副店長・木下和郎さんでした。CDショップのポップを見習い、それを本でもやってみようと思ったのがきっかけだとか…。
その手書きポップ・本バージョンの記念すべき第一号は「白い犬とワルツを」

この手書きポップのおかげで出版して3年が経過しているにもかかわらず、売り上げは急増しているそうです!
売れている状況を、木下さんが出版社に報告したところ、出版社は木下さんの書いた文章をそのまま手書きポップにして全国の書店に配布し、あれよあれよという間に売れ始め、気がついたら110万部の大ベストセラーになっていたそうです。

今では、手書きポップのパイオニアとの異名をとる木下さん。
店舗用に手書きしたものがそのまま本の帯になるほど、出版界では有名人になっています!!!

そこで、手書きポップで大ヒットベスト3を聞いてきました!!
第3位:盛岡市のさわや書店伊藤さんの手書きポップから「天国の本屋」15万部のヒット
第2位:明正堂アトレ上野店書上さんの手書きポップから「MISSING」28万部の大ヒット
そして、第1位は、「セカチュー」ならぬ「世界の中心で愛を叫ぶ」!!!

同じく明星堂アトレ上野店書上さんの手書きポップから318万部の大・大・大ヒット!!!

そこで、川田もミリオンセラーねらってお勧めの一冊の手書きポップを制作することに…。
川田お勧めの一冊は「この世の時間すべて」。川田も泣いた名作だそうです。
川田の渾身の手書きポップもなんとか完成。
で、実際に昭和堂さんに置かせて頂きました!
はてさてどうなることやら…。

ところで、手書きポップで大儲けしているのは本屋さんだけではありません。
独自のチラシで、1日の売り上げが2倍近くになったのは、福島県いわき市の回転すし「すし八」さん。週に1回チラシを入れるだけで、売り上げは倍増するというその秘密が、この手書きポップ。

はじめは、汚いとかデザイナーに頼めばいいのにとか、反応は散々…↓↓↓
でも、今ではそのお世辞にもきれいとは言いがたい手書きポップが逆に目を引き、近所での口コミになって大繁盛になっているそうです。
お店の人が自分のために書いてくれたようで気持ちが伝わる、普通の活字より目立って逆にいい…というようにお客さんの反応もまずまずのようでした。

このポップを書いている出村店長は、今ではその成功例が口コミで広がり、なんと全国各地で手書きポップ講習会を開くなど、すし職人の領域を超えた活躍で大儲け。
さらにさらに、最近は本まで出版して、ますます大儲け!!!

ゲストの野田さんによると、この手書きポップは人間の親和欲求をうまく突いているそうです。
つまり、いつも誰かと接していたい人間にとって、パソコンの字は機械の字としか感じないけれど、手書きならば自分のためだと思ってしまうのだとか。
加藤も、コント台本が手書きだと、活字のものよりおもしろく感じる経験が…。
これこそ、手書きポップの狙い!!!
とんでもない儲けのパワーを秘めていました!!!
口コミの次は、動線(人が建物の中を移動する行動経路のこと)を考えました。

儲かりの心理学 その(2)直線回遊動線

デフレ経済で、不況が続く小売業界にあってオープン以来、なんと86ヶ月連続で売り上げを伸ばす繁盛百貨店がありました!!!
それが、横浜市上大岡にある京急百貨店本店。

社員もホクホクの儲かりぶり、その心理テクニックを店長の塚田信さんに伺ってみたところ、ズバリ・直線回遊動線だそうです。
これまでの動線は、通路を曲がらせる、出口を分かりにくくする、視界が狭くなるよう高く陳列する、といったようにあえて分かりづらくするのがセオリーでした。
しかし、京急百貨店では全くその逆の手法で大成功!
直線を多用し、通路も広く設定することで、心理的リラックスを狙い、少しでも店内を長く歩いてもらうことで購買意欲につなげてようとしたそうです。

店内は、エレベーターやエスカレーターの位置もエリアごとに色分けしたり、随所に行き先を案内の印を付けてわかりやすさを徹底追求してありました。
そんな「回遊動線」には更なるポイントが…。

それは家族全員が興味のある売り場をミックスし真ん中の階に集めること。

そこを動線の拠点として店内を上下に移動してもらうのが目的で、移動距離が長すぎず、家族全員がそれぞれの目的の場所へ楽に移動できるという狙いが大成功したのです。

さらに全体の売り上げの35%を占める食品売り場でも心理テクニックが使われていました。
それは左回りの理論。

この手法は、店舗経営の基本の動線で、人間が左回りの方が安心して歩けることからできた動線だそうです。例えば、陸上競技をはじめ競輪、皇居でマラソンする人、メリーゴーランドなど違和感無く回っているモノのほとんどが、左回りなんです。
この理論を受けて京急百貨店では、お客さんが左回りに店内を歩いて、最終的にレジにたどり着くような配置にしたそうです。

ゲストの野田さんのご友人によると、人間は右脳のほうが空間認知力に長けているそうで、情報がよりダイレクトに入ってくるのはそれと交差をする左側から。
ということで、人間は無意識に左回りを好むのだそうです。
86ヶ月連続で売り上げを伸ばす陰には「商品の買いやすさ」を追究する様々な心理テクニックがあったのでした。

儲かりの心理学 その(3)ココロのモノサシ!

スーパーなどで普段、何気なく目にする端数の値段。
実はここにも心理テクニックが隠されていました!!!

学習院大学の上田隆穂教授によると、人間が高いか安いかを判断するのは、ココロの物差し(内的参照価格=値ごろ価格)だそうです。

これがココロのモノサシと言われるもので、これを利用したものが「端数価格」なんです。

端数価格がもたらす効果とは…
(1)大台割れの心理…人間は大台を割り込む数字に安心感を感じる。
(2)おつりの発生…おつりで時間を稼ぎレジ前商品への誘い水になる。

さらにこの端数価格、国によってもその数字は様々でした!
日本では8。末広がりで、明るい、温和なイメージが昔からあって末尾によく使われます。
端数価格発祥の国、アメリカでは9が古くからよくつかわれる端数価格だそうです。
ロシアでは5が一般的な端数価格、そしてドイツではなんと、55、66、88などぞろ目。

儲かりの心理学 その(4)松竹梅心理

日本人独特の「消費心理」といえば「松竹梅」!!!
以前番組でも紹介しましたが、お寿司屋さんなどで一番売れるのは竹。
そんな心理テクニックを使って昨年、儲けたものがありました。それは…。

アテネ五輪の影響で売れたあるAV家電…シャープの液晶テレビ アクオス

その松竹梅・心理作戦とは、
(1)…最上級、松クラスの45型100万円相当の製品を出し、そのすばらしさをアピール!
(2)…2番目に竹クラスの37型50万円相当の製品を発表!!
(3)…そして最後に、梅クラスの32型35万円相当の製品を発表!!!

するとすると、45型のテレビを見たお客が自然と37型に流れ、32型を見たお客は小さいよりは大きいものを…ということやっぱり37型に流れていくそうで、テレビでもやっぱり竹クラスが一番売れたそうです。
見事、松竹梅心理が成立!!
日本人の中流意識を巧みに使いヒット商品になったのでした。あなたならどれを選びますか?

そして、最後に野田さんに伺いました!!!
これからの手書きポップで私たちの心理をくすぐる方法は!?

それはずばり、映画の予告編型!!

一番の素晴らしいところを先読みさせるのが良いかも!?とのこと。
そのためには、ポップの書き手の選球眼がモノを言うとか…。
ちなみに。今回初ゲストだったMEGUMIさん、儲かりマンデーを口コミしてくれることを約束してくれました!!!効果があるかも!?

■放送内容をシェアする

このページの先頭へ戻る

Copyright© 1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.