ダメ恋「ストーカー日記」

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vol.31:2016年2月23日いとし、いとしと言う心

主任への気持ちに気づいたミチコ。とてもとても辛かったけど、気づいてしまった今、最上くんにウソをつくことのほうが罪作り。というか、ふつうああいう困難の場では「吊り橋効果」と言って、本来そんなに好きでなくても目の前の相手を好いと思ってしまうものなのに、どうしてそこに居ない主任に意識が行ってしまうんだ…でもそれくらい自然に近くに居たっていうことなのかな。

こんなに大事にしてくれているのに

お別れするシーンは本当に悲しくて、三浦くんも恭子ちゃんもいつにも増して真剣です。
三浦くん「ミチコのほうを見たくないし、目を合わせたくありません。」
ひたすら動いて何かすることを探そうとする三浦くん、きっと最上くんは少しでも別れを切り出されるのを先延ばしにしたいんだと考えていたんでしょう。
だけど振り向いてミチコの目を見てしまった瞬間に悟るんです。「自分ではない」んだと…

それでも受け入れるのはつらい

大好きな人の願いだから聞いてあげたいけれど、本当に好きな人だからその手を離すのは本当に本当に辛くて。ついに試合をすることはなかったけれど、最後に抱きしめるくらいは許して欲しくて。
恭子ちゃん「座ったままだと、前のめりになってしまって、ミチコの気持ちとも違うような気がします。」
三浦くん「立ってみますか?そうしたらぼくもちょっと覚悟が見えるように出来るかもしれませんし…」

これだと逃げ場もないかな

そう、覚悟が必要なんです。本当ならこの腕の中にずっと閉じ込めておきたい人だったのに…

哀しいくらいに恋した人

それでも最上くんはミチコの手を離してくれました。きっと断腸の思いだったことでしょう。それでも笑顔を見せてくれたのは、ミチコに気負わないでいて欲しいという最上くんの最大の優しさだったんだと思います。

大事だからこそ幸せを願って

一方、こちらにも一つの別れが。主任と晶さんです。もう別れているとは言っても、もう一度やり直せることが出来るなら。黒沢の胸に春子がいることを知っていてずっとそばにいた晶さん、その状況から変わらないならもう一度同じ状況になることが出来るのではないかと一縷の望みをかけていたんです。

こんなものまで用意しちゃう乙女心

久しぶりに会った黒沢くん。この前は頭に血が上ってしまっていたけれど、今回は違う。あの時もっと話を聞けば良かった、話をすれば良かった。後悔はいくらでもある、だけど叶うならばもう一度。

ああうまく言えない…

こちらも空気で察してます。晶さんの気持ちを分かっていないはずはないんです。自分に向けられる愛情に無頓着でいられるほど、人は強くはないんです。でもだからこそ、今度こそはっきりと告げた主任、もう晶さんの願いが叶うことは二度とない決別でした。
きっと晶さんも心のどこかで「もう戻れることはない」と分かって来ていたのではないでしょうか。
野波さん「イヤだなー、言われたくない、辛いーー!」

お願い、言わないで!!!

晶の気持ちをしっかりと入れている野波さん、台本ですから当然この後に黒沢に何を言われるのか分かっているので本当に本当にイヤだったみたいです。
「幸せにしてやれなくてごめん」。そう言われたら引き下がるしか道はないんだと…
野波さん「『そういう晶が好きだった』って、これ言う!?ヒドくないですか!?」
ディーンさん「そうですね…。(ちょっとしんみり)まあでも、いつものことじゃないですか!(超朗らかな笑顔)」

さすがドS。こんなところで発揮しなくても!でも二人ともそれなりの人生経験を歩んできて、男と女が憎みあってではなく、想いがありながらも一緒にはいられないという道を選んだ姿を優しく、力強く演じてくださいました。
野波さん演じる晶さん、「ごめん」と言われたときの泣きそうな表情から、黒沢に「幸せだった」と答えたときの笑顔は、これまでのどのシーンよりも間違いなく一番キレイな笑顔だったと思います。

「幸せ」と言える強さを

一つの恋が破れ、一つの恋が終わり、そして変わらずに声に出せない恋もある。「恋」という字は、昔の書き方で「戀」と書きます。「糸言糸」下に「心」、ご覧いただいている機種によっては変換見られないかも知れませんが、これを「いとしいとしと言う心」とよく言うんです。恋とは愛しい愛しいといい続けること、そして「愛しい」とは「かなしい」とも読ませることがあります。哀しいまでに愛おしい、そんな想いを抱えてこれから先も人は恋をしていくんです。

声にも出せない恋もある

今、ここで出演者の皆さんのインタビューをもう一度読み直していただきたいと本当に思います。皆さんがそれぞれ目指したもの、そしてそこからどう前に進んでいこうかということが本当によく分かると思います。
もう恋を伝えられない人、愛おしいからこそその手を離した人、そしてまた手を差し伸べる人…ミチコ、主任、最上くん、晶さん、そして春子さん。誰もが大切に想う人がいて。一つの恋が終わってもまた新たな恋が始まって、誰かの一番になる日がきっと来る。どんなにダメでも恋する気持ちはとてもキレイで優しいもの。誰かの一番になろうとするその姿はどんなにダメでも不細工でも奥にあるものはとてもとても美しい。一つの恋が終わり新たな恋が待つであろうそれぞれをどうぞこれからも見守っていてください。