JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2021年01月放送

2021年01月19日放送

消えない黒煙〜原爆はあなぜ長崎へ〜

制作:RKB毎日放送

「自分がやったことで長崎に原爆が投下されたかもしれない」。
宮代 暁さん(92)は、終戦から75年が過ぎた今もその思いが消えません。宮代さんは1945年8月9日、B29の攻撃を防ぐため、福岡県北九州市の八幡製鉄所でコールタールを燃やして煙幕を張ったと語りました。当初、原爆投下の第1目標は北九州市小倉でしたが視界不良で長崎に変更。その原因はこれまで天候と前日の空襲の煙とされてきました。

当時、八幡製鉄所の従業員で16歳の宮代さんは8月9日朝、空襲警報を聞いた上司の命令で煙幕装置に点火。空を覆い隠すほどの黒煙が上がったことを確認し、地下壕へ避難しました。それから約30分後、新型爆弾で長崎が攻撃されたことを知ります。米軍資料には、小倉上空で原爆投下を3回試みたが目標が「もやと煙」で見えず、第2目標だった長崎への攻撃を決定したとあります。煙幕が小倉への原爆投下の見送りに影響したかはわかりませんが、長崎では被爆直後に約15万人が死傷しました。宮代さんら煙幕作戦に携わった人逹はその事実を語ることができず戦後を生きてきました。「暗たんたる気持ち、長崎の人たちに悪いことをした」と語る宮代さんは、戦後一度も長崎の地を踏むことはありませんでした。その祖父に代わり長崎を訪れた孫娘と母。その目に映った長崎の現在と過去とは。終戦から75年を経過した今も重い記憶を背負い生きる宮代さんと家族の思いに迫ります。

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2021年01月12日放送

13坪の物語〜小さな本屋が愛される理由〜

制作:MBS毎日放送

大阪市の街中に創業70年、わずか13坪の書店がある。本は、ここで買うと決めている...、2代目店主、二村和子さんのもとには、人生で壁にぶつかった時、本に助けを求める人たちが、訪ねてくる。家族の介護や仕事、日々の暮らし。二村さんが進める本で話に花が咲く。二村さんは、入荷した本を読んで、いつも考える、「この本は、“あの人”に合うのではないか」と...。

20年前におよそ2万2千店あった書店の数はいま、半分ほどになったと言われる。「書店の経営は、ただ送られてきた本を売れば良いのではない。本は、毒にも薬にもなる」。そう二村さんの父は、口にしていた。二村さんを支えているのは、父が残した「本は文化」という言葉だ。

今年に入って、思いもよらない事態が起きる。新型コロナウイルスの感染拡大だ。営業を続けるべきか、頭を悩ませていた時、お客さんから「学校も図書館も閉まっているいまだからこそ、開けていて欲しい」と言われた。その言葉が、胸に刺さった。
先の見えない時代...、大手通信サイトが台頭する中で、町の本屋さんが潰れていく...。だけど、どこか元気な二村さんの本屋さんには、どんな“秘密”が隠されているのか。そこから見えてくる“いまという時代”をみつめてみる。

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