JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2020年12月放送

2020年12月22日放送

不条理の狭間で〜辺野古の四半世紀

制作:RBC琉球放送

沖縄県名護市辺野古。
沖縄本島北部東海岸、太平洋に面し、米軍海兵隊の基地「キャンプ・シュワブ」に隣接するこの集落は、「世界一危険」といわれる宜野湾市の米軍普天間基地の移設先として突如注目を集めることとなった。容認・反対は小さな集落を二分し、また市長選挙・県知事選挙のみならず国政に関わる選挙でも争点のひとつとなってきた。
移設が取り沙汰されてから25年。長い年月の間に住民を育んできた海では埋め立てが始まり、集落は静けさを取り戻したように見える。こうしたなか区民らで組織され、6年前に解散した「命を守る会」で代表を務め、海の前に設置したプレハブから最前線で反対を訴えていた区民の西川征夫さんは、区切りとして回想録の執筆を始めた。土砂投入が進むなか、容認・反対、どちらが勝ちどちらが負けたのか。活動を支えた地域の“おばあ”たちの思いと条件付き容認を掲げる友人との交流を交え、“反対”を訴え続けた四半世紀を西川さんの目線で見つめる。

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2020年12月15日放送

カンタービレ...みんなに響け♪〜上磯中吹奏楽部の夏〜

制作:HBC北海道放送

音楽のまち道南の北斗市の上磯中学校吹奏楽部は、去年まで5年連続で全日本吹奏楽コンクール金賞に輝く吹奏楽の名門校。毎年3月に開かれる定期演奏会には、その演奏を聞こうと、地元のみならず全国各地から、ホールに入りきれないほどの聴衆が集まります。また同時に、この定期演奏会は卒業する3年生が卒団するという節目の演奏会でもあります。
しかし…。新型コロナウイルスの影響で、学校は休校が続き、部活動も休止状態。3月の卒業式も、定期演奏会も中止に。4月になって学校、部活動を再開するも、すぐに再びの休校と部活動の休止。さらに6連覇を目指した全日本吹奏楽コンクールも中止になってしまいました。学校に通えないばかりか、仲間との合奏もできない。コンクールという目標をもなくして、途方に暮れている部員たちの力になったのが、先生、保護者、そして地域の人たちの思いでした。
それぞれの家庭で個人個人が演奏し、インターネットを利用してのリモート合奏を実現させた他、学校と部活動が再開した1か月後の7月には、インターネットのライブ中継を取り入れたコンサートにもチャレンジしました。
そして8月、恒例のOBとの合同演奏会もライブ中継を取り入れて実施されることになりました。その中には、中止になった3月の定期演奏会のメンバーのステージも予定されましたが…。北斗市立上磯中学校吹奏楽部の部員たちの今年の夏に密着しました。

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2020年12月08日放送

魔法の素材が舞う〜プラスチック大気汚染

制作:RKB毎日放送

「吸い込む空気に目には見えないほど小さなプラスチックが漂っている」
そんな実態が最新の研究で明らかになってきた。福岡市内の都心部や九州の山間部、海外では、大都市や北極でも「大気中のマイクロプラスチック」が検出されている。
硬さを調節できるし、自在に形を変えることも出来る。しかも、安い。そんなプラスチックは“夢の物質”とも呼ばれ、私たちの暮らしに欠かせない素材だ。世界で消費される使い捨てのプラスチックは、年間3億トン以上に上る。
ところが、自然界に放たれたプラスチックが大気中を舞い、呼吸によって私たちの体内に入り込んでいる可能性があるのだ。
野生の海鳥の体内からは、プラスチックの製造過程で加えられる有害な添加剤が検出されている。これらは生殖機能などに悪影響を与えると考えられている。人間への健康被害も懸念されている。しかも、呼吸によってプラスチックが肺に入ってしまうと、体外へと排出することもできない。
見えないところで進んでいたプラスチックによる大気汚染。その実態を、氷の結晶・樹氷の分析によって解き明かそうと試みる、研究者を追った。

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2020年12月01日放送

ダム予定地に生まれて

制作:NBC長崎放送

長崎県川棚町川原地区は13世帯約50人が暮らす谷あいの小さな集落です。ここに半世紀前、ダムを建設する計画が発表されました。石木ダム建設事業。県と佐世保市が水不足の解消や防災を目的に推進する補助ダムです。
しかし石木ダムは未だ完成せず、本体工事にすら入っていません。その理由は、水没予定地に暮らす住民らの根強い反対があるからです。地区を流れる川のほとりで先祖代々暮らしてきた住民達は「伝来の土地を手放せない」と訴え、立ち退きを拒否してきました。
県と住民の対立が決定的になったのは1982年。県が機動隊を投入し強制測量を強行しました。悲鳴と怒号が飛び交うなか集落の人々は測量を阻止しようと抵抗。それを機動隊がごぼう抜きにしケガ人まで出ました。そのとき刻まれた恐怖や屈辱が、住民の心から消えることはなく、集落には「石木ダム絶対反対」「県職員面会お断り」などの看板が立ち並んでいます。
川原地区の13世帯は県政に強い不信感を抱き、半世紀に渡ってダム反対を訴える日々を過ごしてきました。そんな住民達にしびれを切らした県は、去年、13世帯の家や田畑をダム用地にする強制収用に踏み切ったのです。しかし住民は補償を受けらず土地の明け渡しを拒否。土地の権利を失った今も予定地に暮らし続け、問題は更に複雑化してしまいました。
「人生そのものがダムに沈んだ」「普通に暮らしたい」と語る住民達。半世紀に及ぶ石木ダム問題がもたらすものとは。これまで知られていなかった住民達のダムで歪んで日常に迫ります。

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