JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2020年11月放送

2020年11月24日放送

新型コロナに負けない! 母さんのおさかな弁当〜異業種連携がつなぐ絆〜

制作:RKK熊本放送

九州屈指の漁業の町・熊本天草で、網元の家に生まれ育った深川沙央里(38)さん。車エビの養殖業を営む家に嫁ぐも離婚、目下5人の子育てに奔走中のシングルマザーだ。
昔からの夢だった水産業で生計を立てたいと、車エビの養殖技術の確立に挑戦している矢先、新型コロナウイルスの猛威が世界中を襲った。外出自粛による外食産業の需要低迷で、水産業を柱とする天草にも大きな打撃が。料亭や飲食店などに卸すタイやブリなどの需要も激減。養殖業を営む深川さんの実家も出荷先を失い頭を悩ませていた。深川さんの加工場も休校の影響で人手不足で窮地に陥った。そうした中、同じく休業状態に頭を抱える地元ホテルのシェフとの会話が事態打開のヒントに。行き場を無くした魚を使い『冷凍弁当』を開発しようと思いついたのだ。深川さんはシェフとタッグを組み、実家の養殖魚を使ったメニューを開発。わずか2週間で発売にこぎつけた冷凍弁当は、電子レンジでチンするだけの手軽さも受け、発売わずか3か月で約4万食を達成、コロナ禍ならではの異業種連携がヒット商品を生んだ。家族や地域の絆で生まれた冷凍弁当には新型コロナと共に生きる時代のヒントが隠されていた。

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2020年11月17日放送

ど・ローカル閃隊 タネガシマン

制作:MBC南日本放送

いまや全国各地に数多くいるご当地ヒーロー。その先駆け的存在が種子島にいます。その名も「タネガシマン」。島内では誰もが知る存在です。中種子町のアクション好き青年団のメンバーが集って結成。様々なイベントに登場し、その日限りの“オーダーメイド”の脚本で、どローカルなショーを展開します。昨年活動20周年を迎え、作り上げた物語の数はなんと300を超えます。
そんな舞台を作り上げるのは、「種子島アクションクラブ」の代表・?磯勝俊さん(52)。衣装も、脚本もすべて手作りのタネガシマン。本業である農業の傍ら、日々寝る間を惜しんで、タネガシマンを演じているのです。
しかし、猛威を振るい続けるコロナウイルスの影響は、タネガシマンのもとにも。舞台となるイベントの中止が続き、活動の場を失いました。「こんなときこそ種子島に元気を」。タネガシマンの新たな計画が動き出します。

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2020年11月10日放送

しろね子フルーツパンチ

制作:BSN新潟放送

新潟県有数のフルーツ産地・しろね(新潟市南区)。川に囲まれた肥沃な土地で、江戸時代からナシ栽培が発展してきた。昭和40年代には地元JAが県内初となるナシの選果場を建設し、一定の質で大量に流通させることで、「しろね=果物」の確固たるブランドを築き上げた。しかし、厳しい産地間競争の中で、市場単価は低迷。旧来の“儲からない”農業を打破しようと若手農家が立ち上がった。
富山喜幸さん(30)は、新潟では珍しいプラムの栽培に取り組んでいる。中でも全国的に流通が少ない「貴陽」という品種は希少価値が高く、2玉700円の値段でも飛ぶように売れる。富山さんは、産地全体のブランド力をあげようと、世界一重いプラムを作りギネス世界記録にも挑戦している。関根邦仁さん(38)は、2015年からアボカドの栽培を始めた。雪国で南国のフルーツを作る前代未聞の挑戦は、注目を集め産地に活気をうんでいる。ナシ農家・山田烈矢さん(25)は、自身のブランドを立ち上げ、大玉・完熟・高糖度という品質の良いナシだけを出荷している。しかし、ネット販売は開店休業状態…。効率をとるか、自分の理想を追い求めるか—、二つの感情が揺れ動く。
3人は、異なる作物を作る生産者で構成される「しろね農業青年部」に所属する。共通の思いはフルーツ王国“しろね”を次世代に継承していくこと。魅力ある農業を発信しようと奮闘する“しろね子ファーマー”の一年を追った。

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2020年11月03日放送

世界が注目 自然派ワインを岡山で

制作:RSK山陽放送

今、ワイン業界で注目を集めているのが「自然派ワイン」です。原料は、自生に近い険しい自然環境を生き延びたブドウ。醸造も酸化防止剤などの添加物に頼らず、そのブドウの力だけで発酵を促す天然のワインです。
20代でフランスにわたって自然派の修行を積み、カリスマと呼ばわれるまでになった日本人醸造家がいます。大岡弘武さん45歳。果実そのものの新鮮な味わいとアルコールの深みがしみわたる万人に愛される飲み口が、新たなファンを生み続けています。
大岡さんは4年前、名声を得たフランスを去り、帰国しました。3人の子供たちに日本の教育を受けさせるためでした。移住先に選んだのは故郷の東京ではなく、ブドウの産地として実績がある岡山市北区でした。
新たなスタートを切った大岡さんの自然派農法は、畑の雑草を刈らず、作物の天敵・虫や鳥がはびこる「カオス」な状態です。果たして、この環境を生き抜き、真の「岡山の味」を宿すブドウは収穫できるのでしょうか?
大岡さんは、自然派ワインの先に日本の農業の未来も見据えます。収穫が安定しない自然派のブドウを一定量確保するためには広大な農地が必要。そこで考えたのが、全国で増え続ける耕作放棄地の再生。自然派として生計が立てられるモデルを確立すれば、新規就農者が増え、耕作放棄地の問題解決にもつながる。大岡さんは、自らを慕って集まってくる研修生たちとともに実践を始めました。
最初はフランスと異なる日本の風土に戸惑っていた子供たちも逞しく成長しています。見果てぬロマンを追う大岡さんと家族、その理解者たち、そしてワインとブドウの記録です。

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