JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2020年08月放送

2020年08月25日放送

過疎に咲く 〜京津畑・黄昏の中で〜

制作:IBC 岩手放送

岩手県一関市大東町の京津畑地区は、山々に囲まれた地域。人口112人、高齢化率は50%を超える“限界集落”だ。地区内46世帯の内、10世帯は高齢者が一人で暮らす、いわゆる“独居老人”。コンビニもスーパーも、学校すらない過疎の集落。
 それでも—。「みなさんの助けがないと生活できないので、今年もよろしくお願いします。」そう話す老々介護の女性には「大丈夫、大丈夫。」と笑顔で励まし、敬老の日が近くなると「外は凍って危ないから気を付けて」と、婦人会お手製の弁当を配り歩く。地域の結束は、とても強い。あるお年寄りは語る。「そうだなぁ、ここ(京津畑)が一番いいんでねえか。」地域を語る時、彼らの表情は明るい。
 集落で生まれ育っても、ほとんどが進学・就職と共に地域を離れる。それゆえ、里帰りのお盆には盛大な盆踊り大会を、手作りで開いている。奇しくも、前日に一人お年寄りが亡くなっていた。しかし、中止はしない。ただ、その人と共に過ごした時間を、それぞれが思い浮かべる。「去年8人死んだからね。今年は何もないといいなあ。」世代別にみると、最も多いのは80代。そんな京津畑にとって、訃報は決して珍しくない。
 地域で一人暮らす菊池弘子さんは84歳。京津畑集落が、毎年秋に開いている食のお祭りを、一番の生き甲斐にしている彼女、しかし祭り直前に地区外の介護施設で、夫が亡くなる。失意の彼女は、お祭りへの参加を躊躇するが…。誰もが年を取り、いつかお年寄りになる。伴侶との死別も、いつか訪れる。別れの後に残された孤独と、その先を生きる希望、彼女はどんな答えを出すのか。
 故郷で行きたいと願う人々がいる。そこで生かしてやりたいと、支え合う人たちがいる。たとえそこが、黄昏の“限界集落”であっても…。この人たちが考える幸せとは何なのか。それを知りたいと願い、その1年の営みをカメラが追った。

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2020年08月18日放送

マジシャン、元ホームレス

制作:RSK 山陽放送

岡山市出身のマジシャン・金関拓海さん(26)。2019年には単独公演で岡山市民会館の1700席を満席にするなどその実力は折り紙付きだ。
そんな金関さんは、かつて想像を絶する少年時代を過ごしてきた。
親族による10年にもわたる虐待、高校中退、非行、果てはホームレス生活・・・。
絶望の淵に追い込まれた彼は、なぜ再び立ち上がることが出来たのか。
そして多くの人たちに伝えたい思いとは?
負の経験も全て糧にして未来へ突き進む26歳の今に迫った。

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2020年08月11日放送

ローカル魂 寅ちゃんと6年1組農業部

制作:TUY テレビユー山形

真っ赤な帽子に真っ赤なTシャツ。背中に書かれた「初代葱師」の文字。
清水寅(つよし)38歳。職業、葱師。
彼が作る葱は、糖度22.5度を記録。
葱師・清水寅にしか作れない“果物より甘く太くて柔らかい”極上の葱。
拘りの農業をする清水氏には、減っていく農業人口に歯止めをかけたい、そのためには農業をもっと知ってもらいたいという強い思いがある。
昨年、天童市の寺津小学校6年生と農業部を作り、児童たちと農業に取り組む活動を始めた。
種蒔き・定植・栽培・収穫、そして販売とすべて児童たちの自主性に任せ完結させる。
初めて本格的な農業に取り組む6年生の児童は、農業をどう感じてくれるのか?
単に学校行事で終わってしまうのか?それとも本気で取り組んでくれるのか?
山形から日本の農業を変えたいと思うネギ農家と本気で農業に取り組もうとする小学6年生19名の農業密着ドキュメント

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2020年08月04日放送

大井川とリニア新幹線 〜国家プロジェクトに揺れる“命の水”〜

制作:SBS 静岡放送

リニア工事をめぐって静岡県とJR東海が真っ向から対立している。2017年に知事が「デメリットしかない」と批判して以降、対話を繰り返すが、その出口は見えない。工事によってトンネルに水が湧き出し、大井川の水が最大で「毎秒2トン」失うかもしれないというJR東海の予測が最大のネックだ。JR東海はいくつかの環境対策を示したものの、静岡県や専門家、流域自治体の不信感を払しょくできていない。特に「工事中にトンネルに湧き出した水が県外に流出し、大井川に戻せない懸念」と、「トンネル工事が南アルプスの水脈を切り、下流域の地下水が減少する恐れ」の2つに県側が神経をとがらせ、こう着状態が続いている。
トンネル工事による水枯れは他の地域でもあるが、大井川の場合はあまりにも影響が大きい。流域には60万人以上が暮らし、大井川の水を飲み水に、茶畑や水田を潤す農業用水に、湧き上がる地下水を水産業にも活用している。静岡県外の沿線自治体からは厳しい目を向けられるが、静岡県、流域の市町が大井川の水を守ろうとする姿勢は変わらない。ダム建設で水を失った過去の苦い経験も、その反対をより強いものにしている。
事業を認可した国交省がついに問題に乗り出し、今年4月から有識者会議をスタートさせた。専門家からはJR東海の水環境に対する姿勢に厳しい注文が付く。静岡県や大井川流域の市町は改めてJR東海に何を求めていくのか。「命の水」をめぐるこれまでの経緯と対立を整理しながら、リニア問題の現状を描く。

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