JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2019年11月放送

2019年11月26日放送

いのちの居場所〜重症心身障害児(者)と家族の、いま〜

制作:岩手放送

【内容】
「重症心身障害児(者)」は、重度の身体の障害と重度の知的障害を併せ持っている。
その多くが寝たきりで、すべてに介助を必要とする人たちだ。
「児」「者」と併記されているのは、この名称が決められた50年前に
これほど障害の重い状態ではほとんどの人が成人を迎えられないだろうと当時の厚生省が考えたため、と言われている。

「いのち。伝えたい」特別番組では、2013年と2014年の2回、県内の「重症心身障害児(者)」について取材し、放送している。
一言に「重症心身障害児(者)」と言っても、障がいの程度や家庭環境によって、求められる対応はそれぞれ。そしてそれぞれの家族をもっとも悩ませているのが、彼らの「居場所」だ。

これまで、自宅介護。つまり家族(主に母親)のつきっきりの介護が当然とされてきたが、医療の発達により重症心身障害児(者)の寿命が延びていることや、家族の生き方も尊重したいという思いの実現のため、家族への支えが求められている。
どんな施設やサービスが必要なのか?
取材を進めていくうちに「短期入所」「レスパイト」という言葉が多く聞かれることに気付いた。さらに東京では近年「在宅レスパイト」というサービスも開始され、県内の家族からも要望の声が上がっている。

「レスパイト」とは「一時休止」「休息」という意味。障害の有無にかかわらず、在宅でケアしている家族を癒やすため、一時的にケアを代替し、リフレッシュを図ってもらう家族支援サービス。施設への短期入所や、病院での短期入院が主で、県内でも実施されている。自宅への介護人派遣もあり、それが「在宅レスパイト」だ。

番組では、レスパイト入院を利用する花巻市の上野花さんと、盛岡市で往診クリニックなどを利用して生活する澤口芽依さんの2家族を取材した。

医療ケアを必要とする二人の超重症心身障害児(者)。
家族との毎日、そして今求めていることとは…。

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2019年11月19日放送

墓は消えるのか〜家族が決断した理由〜

制作:山陽放送

【内容】
先祖代々守ってきた墓を維持できなくなって処分する、いわゆる「墓じまい」が増えています。
これまで引き継ぐことが当たり前だった墓に何が起きているのでしょうか。
親戚の墓を10年間守り続けてきた男性。一人暮らしの高齢者。亡き夫の遺言に従って墓じまいを決意した妻。それぞれが葛藤しながら、祖先の墓に別れを告げます。一方で墓を大切な場所として守りたいと苦悩する家族の姿もありました。
墓を取り巻く環境も大きく変化しています。旧来の墓地では墓じまいで返還された区画や無縁墓が増え問題になっています。そんな中、納骨堂や合葬墓、散骨など新たな弔いの形が存在感を増しつつあります。
墓じまいの現場を追うと、変わりつつある家族の形や社会の変化が見えてきます。
あなたは墓を誰に引き継ぎますか?

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2019年11月12日放送

めぐりあい〜下甑島で出逢った仲間たち〜

制作:南日本放送

【内容】

南薩に住み地方の暮らしを記録し続けているアメリカ人ジェフリーアイリッシュさん。自らカメラを回し、薩摩半島の西の海に浮かぶ下甑島の漁師や葬儀屋の日常を撮影した。一緒に働くIターン者と地元の人。彼らの人生が重なる「めぐりあい」を見つめる。当たり前の日常に、お互いへの愛情を感じて、生きる喜びを感じる。

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2019年11月05日放送

使い捨て異邦人〜苦悩する外国人労働者たち〜

制作:MBS毎日放送

【内容】
 岐阜県羽島市にある外国人労働者の"駆け込み寺"「外国人労働者救済支援センター」。2015年に設置された。作ったのは、中国から日本に留学した後、紳士服メーカーに勤めていた甄凱(けんかい)さん(60)だ。かつては、会社で通訳として外国人技能実習生の世話をしていたが、低賃金、労災、暴力、強制帰国などのひどい扱いを目の当たりにし、外国人労働者の救済を始めた。開設から3年で、200人以上を一時保護してきたという。シェルターには、技能実習生16人が身を寄せている。支援者からの寄付と野菜を自給自足して、3食付き一日1000円。かつて、母国で暮らす家族を楽にさせたい、と夢を抱いて来日した人ばかりだ。甄さんも妻、子供とここで一緒に暮らす。夢破れ、駆け込んだ技能実習生たちはみんなひどい扱いを受けてきた。補償などの問題解決で、2年以上滞在している人もいる。ダンボール工場で働いていた黄世護さん(26)は機械に手を挟まれ、3本の指先を失った。すると突然、会社側にある確認書へのサインを迫られた。そこには、治療を終えたら帰国し責任を追求しないこと、そして雇用契約を終了することが書かれていた。「技能実習というけど、機械の使い方もちゃんと教えてくれなかった。トラブルがあったら、国へ帰れと言われる」。サインを拒み、補償を求めて交渉が続いている。そして、中国から来日する際、仲介した送り出し機関に支払った60万円の借金はまだ残っている。また、未払い賃金を訴えるカンボジア人の女性たちもシェルターにやって来た。月給6万円のうち、4万円を強制貯金させられ、残業代は1時間わずか300円。残業が月に200時間になることもあったと訴える。甄凱さんは会社と団体交渉を行い、技能実習生の抱えるさまざまな問題を解決しようと奔走する。番組では、甄凱さんのシェルターの日常を追いながら、日本に夢を見て、日本に裏切られた技能実習生たちの実態を明らかにし、外国人労働者の知られざる実態に迫るとともに、拙速な政府の施策に一石を投じる。

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