JNNドキュメント

JNNドキュメント 毎週(火) 午後11:00〜12:00

地上波では、地域ごとにしか見ることのできない地方局制作のドキュメンタリー番組を毎週お届けします。
TBSの日本全国28局の系列局、JNN(Japan News Network)が誇る日本各地の取材班が、時間をかけて紡いだ秀逸のドキュメンタリーをお送りします。

2019年06月放送

2019年06月25日放送
〜万葉学者・上野誠〜

古代を学び、未来へつなぐ

制作:RKB毎日放送

【内容】
福岡出身の万葉学者、上野誠(58)。奈良大学で教授を務める。
大陸への玄関口、博多の商家で育った上野の講演は、聞き手を引き込む話術で大人気だ。2018年9月、朝倉でイベントが行われた。上野が書いた額田王の朗読劇を演じたのは、女優、松坂慶子。
上野と共にアジアの文化交流を重ねてきた。万葉集を読み解きながら、「8世紀を生きた人びとの考えを知り、今を生きる私たちの指針としたい。」という、上野誠の魅力に迫る。

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2019年06月18日放送
〜五家荘〜

消えゆく文化

制作:熊本放送

【内容】
熊本県八代市泉町久連子(くれこ)地区。山に囲まれたこの地区は、住民27人中一番若い人が50歳代。ほとんどが70歳以上という限界集落だ。ここには「久連子古代踊り」という国選択無形民俗文化財に指定された地域特有の文化があるが、その文化が今、危機的状況にある。高齢化、過疎化のため踊り手がおらず、数年前から披露できていないのだ。
地区内では継承できないため、隣接する別の地区の小中学生が郷土学習の一環として踊りを学んでいることが、唯一の支えとなっている。
さらに心配なのが地区特有の鶏「久連子鶏」の存続。久連子古代踊りは「しゃぐま(花笠)」と呼ばれる笠を被って踊るが、このしゃぐまに使用されるのが久連子鶏の尾羽で、一つの笠におよそ400本の羽が使われる。しかし一年半前、まとめて飼育していた鶏が獣に襲われ、地区内に4羽しかいなくなった。久連子古代踊り保存会の会長・寺川直繁さん(79)は生き残った4羽の久連子鶏を自宅で飼育している。踊りを学んでいる子どもたちのためにも、せめて久連子鶏を復活させたいと動きだすが・・・(464文字)


熊本県八代市泉町久連子(くれこ)地区。山に囲まれたこの地区は、住民27人中一番若い人が50歳代。ほとんどが70歳以上という限界集落だ。ここには「久連子古代踊り」という国選択無形民俗文化財に指定された文化がある。しかし、高齢化、過疎化により、数年前から披露できていない。さらに、踊りをする時にかぶる笠「しゃぐま(花笠)」に地鶏・久連子鶏の尾羽を使用しているが、その久連子鶏も地域から絶滅の危機にある。久連子古代踊り保存会の会長・寺川直繁さん(79)は「せめて久連子鶏を復活させたい」と動きだすが・・・(246文字)

2019年06月11日放送
〜南海トラフ巨大地震”異常”が現れた日〜

委ねられた判断

制作:静岡放送

【内容】
100年から150年の周期で繰り返しやってくる「南海トラフ地震」。その何度かに一度、東日本大震災クラスの「超巨大地震」が起きるという研究があります。
その兆しが現れたら、私たちは何が出来るのでしょうか?大地震の兆候を捉えたとき、国は今「南海トラフ地震の臨時情報」を出して被害を減らそうとしています。「東海地震は予知ができない」と国が認めて、警戒宣言を出す仕組みをやめてからまもなく1年。確実な予知は出来なくても「被害を減らす方法はある」として、議論を重ねてきました。
しかし「臨時情報」は「異常が観測されたこと」を伝えても「いつ」「どこで」「どんな規模」という確実性を含んでいません。情報が出た時に「私たちがどう対応すべきか」まだ答えは出ていません。
国は年内に「方向性を示したい」としていますが実効性のある具体的なマニュアルが出来るまでには、まだ時間がかかる見込みです。「国の方針があいまい」で「地域や人によってやることが違う」「自分しかあてにしてはいけない」というのが今の局面です。
番組では、様々な課題を、再現ドラマを交え分かりやすく説明する他、県内の全市町にアンケート調査を実施し、新たなルールに何を期待し、何が問題だと思っているかを明らかにします。
また先進事例としてアメリカ・カリフォルニア州を取材。何度も空振りしながらも続けられている地震情報がどう受け止められるか、さらに日本国内の先進事例はどのように進められているかを探ります。
 そして臨時情報をルール化する上で前提となるのが、南海トラフ地震の規模や発生の仕方です。最新研究でわかってきた新たな側面を伝えます。

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2019年06月04日放送

ボタ山であそんだころ

制作:RKB毎日放送

【内容】
福岡県嘉麻市出身の絵本作家、石川えりこさん(63)。炭鉱町で育ったこどものころの記憶をもとに、「ボタ山であそんだころ」を生み出した。えりこさんのふるさと、旧稲築町には、かつて山野炭鉱があった。仕事を求めて多くの人が移り住み、町は賑やかだった。1965年、山野炭鉱で大規模なガス爆発事故が起き、237人もの犠牲者が出た。
 神奈川県在住の江藤秀一さん(68)は、当時15歳。この事故で父を失った。一家の大黒柱を失い、母、一枝さんはとなり町の種苗店に勤めはじめた。秀一さんは、新聞奨学生の制度を利用し、東京の新聞販売店に住みこみで働きながら予備校へ通い、大学へ進学した。卒業後は教師の道を歩み、いまは、静岡にある大学の学長だ。秀一さんは、夜、よく泣いていた母の姿を思い出すという。
 かつて山野炭鉱があった場所には、いま稲築東小学校が建っている。毎年、事故があった6月1日には、炭鉱があった歴史や事故を語りつぐ授業が行われている。 今年の授業には、里帰りした江藤さんも参加した。
日本の戦後復興を支えて隆盛を極め、1970年代に消滅した炭鉱産業が遺したものを、絵本と、人々の証言で綴る。  

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