2017年12月26日放送
英霊たちの記念写真?柳田芙美緒が見た戦争?
制作:静岡放送
[内容]
2017年、図書館に寄贈されていた柳田の写真集から直筆のメッセージが見つかった。誰に対し、何のためにメッセージを残したのか。そこから取材が始まった。
柳田芙美緒は、民間のカメラマン。報道カメラマンであるが軍通信部に属していない。静岡連隊を除隊後、若い兵士や部隊幹部のスナップを撮影・販売するようになった。部隊と共に中国大陸やジャワ・スマトラを8年間駆け回った。当時、従軍カメラマンが撮影した写真の検閲を受け処分されたが、それでも柳田はおよそ2万点の写真を残した。
戦後、1962年(昭和37年)に出版した「静岡連隊写真集」で、門外不出の写真の掲載に踏み切る。訓練中に自殺した兵士の写真だ。見開き1ページを使って載せた写真は、強烈なメッセージを放った。しかし、軍は写真が表に出たことに不快感を示し、その信ぴょう性までも疑う声が出る。銃剣を人間の力でのどに突き刺すことは不可能だという論評まで出た。
非難を浴びながらも、柳田は兵士の名前や撮影地を明かすことは無かった。柳田は写真の横にメッセージを残している。聖戦から鎮魂へと変わっていった柳田のレンズの先には、いつも郷土の兵士たちの姿があった。彼らのためにカメラを構え続けたからこそ、彼らのために伝え続けなければならないことがあった。柳田の残した写真と直筆のメッセージから浮かび上がる戦後72年目の実相を探る。
初回放送:2017年5月28日(日)