2017年09月26日放送
おひさま家族〜色素性乾皮症を抱えて〜
制作:静岡放送
[内容]
色素性乾皮症(XP)は、遺伝子異常により、太陽の紫外線を浴びると火傷のような水疱ができ、やがて皮膚がんが発生する病気だ。患者は家の中に光が入らないようにしたり、外出の際には紫外線遮断のフィルムを張った宇宙服のような帽子をスッポリかぶったりする対策をとっている。国内の患者は推定500人。治療法は見つかっていない。加えて、この病気の深刻な点は、患者の殆どが年齢を重ねるにつれ重度の神経障害が加わり、30歳になる頃にはほぼ死に至る事だ。患者が「生きる事」とは、すなわち死に向かってのスケジュールを辿っていくことに他ならない。
色素性乾皮症の少年・清麟太郎くんを知ったのは7年前。3人兄弟の真ん中で、父の清 淳一さん、母の京子さんは日焼け止めクリームを一日何度も塗る事、外に出る時は紫外線カットの帽子を被ること以外、兄・龍太郎くん、弟・道太郎くんと同じ様に育てていた。
当時の「りんくん」(麟太郎くん)は外遊びが大好きで、自転車を軽やかに漕ぎ、お日様に大きな声で挨拶をする元気な少年だった。毎週末は祖父母の家で過ごし、新聞配達の手伝いをする。日差しの弱い朝夕の新聞配達の時間はりんくんが太陽と触れ合える時間だ。文子さんはりんくんの病気を知ってもらおうと、7年前に「りんくんとおひさまとしゃぼんだま」という絵本を自費出版した。
現在13才のりんくんは、7年前より歩行が困難になり、補聴器が手放せず、言語障害もひどくなった。中学は特別支援学校に変えざるを得なかったが、家族は手話を練習し、リハビリを続けている。父・母・祖父母、それぞれが麟太郎くんの将来を想いはじめている。祖母はりんくんの言葉を書き残そうと2冊目の本を作り始めた。
そんな矢先、家族の絆を確認する事件が起きた…。
初回放送:2017年5月5日(金)