古田的 柔道みどころ text by 古田英毅

8月29日(水)

男子のみどころ

60kg級:志々目徹(了徳寺学園職)

有力選手:イェルドス・スメトフ(カザフスタン)、ディヨルベク・ウロズボエフ(ウズベキスタン)、ダシュダヴァー・アマーツブシン(モンゴル)

実力的には2015年世界王者のスメトフが抜けており、以降、現在2年連続世界3位のウロズボエフ、2013年世界2位のダシュダヴァーの順。
実績では、志々目は4番手。志々目以外の3人は密着や潜り込んでの攻撃が得意なパワー派で、相性的にも志々目やや不利。

66kg級 :丸山城志郎(ミキハウス)

有力選手:アン・バウル(韓国)、ガンボルド・ヘルレン(モンゴル)、イェルドス・ジューマカノフ(カザフスタン)

丸山とアンが実力的に抜けており、両者による決勝が最大の見どころ。
アンは2015年の世界王者。最近の戦績は丸山の2勝1敗。直近のグランドスラム・エカテリンブルクでは丸山が袖釣込腰「一本」で勝利している。
ガンボルドとジューマカノフは強者だが実力的には数段劣る。
ただし、丸山、アンともにポカをする場合が多々あり(そういうタイプ)、その場合、食ってしまうだけの力があるのがこの2人、と考えて見ていただければ。

73kg級 :大野将平(旭化成)

有力選手:アン・チャンリン(韓国)、ツェンドオチル・ツォグトバータル(モンゴル)、ジャンサイ・スマグロフ(カザフスタン)、ギヨション・ボボエフ(ウズベキスタン)、ヴィクター・スクヴォトフ(UAE)、モハマド・モハマディ(イラン)

大野が実力的に抜けており、アクシデントがなければ普通に考えて優勝確実。次点がアン。
足の怪我のためか、得意の担ぎ技の使用頻度は下がっているが、近頃復調傾向。メディアにほのめかしているという「対大野用秘密兵器」に期待。
その次に怖いのはツェンドオチル。リオ五輪には60kg級で参加、今年に入ってからはグランドスラム・パリ3位、グランドスラム・エカテリンブルク優勝と乗っており要注意。高い身体能力を生かした担ぎ技と密着の使い分けが武器。稽古や試合からは「オレが主人公」感立ち上っており、良い意味で勘違い出来る男、乗ると怖いタイプではないかと。

81kg級 :佐々木健志(筑波大4年)

有力選手:サイード・モラエイ(イラン)、ウーガンバータル・オトゴンバータル(モンゴル)、イ・センス(韓国)

この4選手の上位進出が確実。
純戦力には佐々木が優勝候補一番手。次点で昨年世界選手権3位のモラエイ。佐々木は最近の大会でモラエイとイに勝利していて、このあたり相手がどう考えて組み立ててくるか。普通にドローが進めば佐々木は準決勝でウーガンバータルと対戦する可能性が高いのですが、ここが最初の山場。ウーガンバータルは世界的に見ても階級トップクラスのパワーがあるのですが、やり口は巴投で引き込んでの粘戦という面倒なタイプ。結構厄介です。ただし佐々木は寝技はむしろ望むところ、ここで勝負を決めるシナリオもありです。

90kg級:ベイカー茉秋(日本中央競馬会)

有力選手:ガク・ドンハン(韓国)、コムロンショフ・ウストピリヨン(タジキスタン)、ガンツルガ・アルタンバガナ(モンゴル)、イスラム・ボズバエフ(カザフスタン)、セルジュ・トマ(UAE)、ナシフ・エリアス(レバノン)、シャフゾドベク・サビロフ(ウズベキスタン)

はっきりベイカーとガクが二強。
ベイカーが2016年、ガクが2015年の世界王者です。他にも良い選手が多いですがが、ワールドツアーの戦いぶりとか序列から考えてこの2人が負ける可能性はほとんどない。普通にドローが進めば2人の対戦は準決勝。ここが事実上の決勝です。
どちらも持久戦と得意とする選手ですが、この分野ではベイカーに分があり、それがそのまま勝敗を分けると予想。
ガクは粘り強いですが、ベイカー相手だと先に切れちゃう気がします。

100kg級:飯田健太郎(国士舘大2年)

有力選手:チョ・グハン(韓国)、ルハグヴァスレン・オトゴンバータル(モンゴル)、イワン・レマレンコ(UAE)、シェラリ・ジュラエフ(ウズベキスタン)

飯田とチョが二強。両者の対決は恐らく決勝。
チョは飯田のような本格派を潰してしまうのが得意、それも飯田のような線が細い本格派は大好物。昨年のグランドスラム東京でもGS延長戦での「指導2」で飯田を破っています。チョに勝てるかどうかはそのままこの階級で出世出来るかどうか占う要素。羽賀龍之介もこの選手を破ってから一気に出世、私たちはチョを問題にしないことで羽賀の戴冠を確信しました。相手のペースに乗らずに自分の柔道を貫けるかがポイント。

100kg超級:王子谷剛志(旭化成)

有力選手:キム・スンミン(韓国)、ウルジバヤル・デューレンバヤル(モンゴル)、ヤヴァド・マージョウブ(イラン)、ベクムロド・オルティボエフ(ウズベキスタン)、ベクボロト・トクトゴノフ(キルギスタン)

優勝争いという意味では王子谷が実力的に抜けている、はずです。
普通に考えればライバルになりそうなのはマージョウブとオルティボエフ。
この2人はツアーで活躍の目立つ100kg級からの転向組。どちらも担ぎ技が得意で、王子谷に勝つとすれば、本格派で王子谷と噛み合ってしまうキムスンミンではなくてこの2人のどちらかではと踏んでいます。長身から落差高く滑り込んできます。
ほか、トクトゴノフはキルギスタンの隠し玉的な選手で、ちょっと注目しています。原沢久喜ばりの豪快な投技あり。キルギスタンは業師を育てるのがうまい。これから一線を張る選手です。

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