古田的 柔道みどころ text by 古田英毅

8月29日(水)

女子のみどころ

48kg級:近藤亜美(三井住友海上)

有力選手:ムンフバット・ウランツェツェグ(モンゴル)、ガルバドラフ・オトゴンツェツェグ(カザフスタン)、ジョン・ボキョン(韓国)

この4名全員が世界選手権優勝クラスの力あり。近藤が2014年の世界王者、ムンフバットが2013年の世界王者、ガルバドラフが2年連続世界3位、ジョンがリオ五輪の銀メダリスト。
近藤はムンフバットには比較的相性が良いが、ジョンは不得手で2連敗中。組む前に手数で後手を踏む展開になりがちです。ガルバドラフとは毎回投げの撃ち合いになって心休まる暇がない、熱戦確実です。近藤はジョンとは逆の山、準決勝でガルバドラフ、決勝でムンフバットかジョンと対戦予定。

52kg級:角田夏実(了徳寺学園職)

有力選手:パク・ダソル(韓国)、グルバダム・ババムラトワ(トルクメニスタン)、イム・ソンシム(北朝鮮)

角田の一人勝ち。実力が抜けています。普通に考えれば負けは怪我と一発反則以外に考えられません。しっかり立つべき位置に立ってほしい。

57kg級:玉置桃(三井住友海上)

有力選手:ドルジスレン・スミヤ(モンゴル)、レン・チェンリン(台湾)、セヴァラ・ニシャンバエワ(カザフスタン)、ルハグヴァトゴー・エンフリーレン(モンゴル)、キム・ジャンディ(韓国)

世界王者ドルジスレンが優勝候補の筆頭。
ただし、玉置はこの選手に2連勝中と相性が良く、今大会も勝利の可能性は十分。非常に楽しめ、盛り上がりそうです。ただしどちらもしぶとい柔道なので派手な投げ合いではなく消耗戦必至のはず。
玉置は準決勝で山梨学院大卒のベテラン、レンと対戦予定。ここをいかに消耗なく抜けられるかがポイント。

63kg級:鍋倉那美(三井住友海上)

純粋な力だけでいえば鍋倉の優勝ほぼ確実。各国世代的な過渡期だったりそもそも地力が低かったりで対抗勢力はどれもパッとしません。
フィリピン代表のワタナベは現在も早稲田大に所属している日本育ちの選手、2015年には学生王者も獲得しています。これは国内試合的な地場での戦いとなる可能性が高く、強いて、万が一敗れる可能性をあげろと言われればここくらい。両者は決勝で対戦予定。ワタナベは寝技が得意ですが、鍋倉もそもそも寝技は得手。鍋倉優位は動かずです。

70kg級 :新添左季(山梨学院大4年)

有力選手:グルノザ・マトニヤゾワ(ウズベキスタン)、キム・センヨン(韓国)、ツェンドアユシュ・ナランジャルガル(モンゴル)

新添が実力では大きくリードしています。対抗馬になり得るのはキムのみ。担ぎ技を連発する粘戦志向のタイプで本来かなり厄介な選手なのですが、近頃はあまり元気がなく、余程のことがない限り負けることはないはず。ただご存知の通り韓国は異常にこの大会を重視しています。2014年の仁川大会でも突如パフォーマンスがあがる選手が続出、このキムも同大会で見事優勝を飾っています。彼女が普段以上のパフォーマンスを見せた場合のみ、勝敗が揺れる可能性あり。

78kg級:佐藤瑠香(コマツ)

有力選手:パク・ユジン(韓国)

佐藤とパクが二強。ただし、この二人の間に結構な力の差があり、普通に考えれば佐藤が順当に優勝するはずです。70kg級の場合と同じく、パクが大きく調子を上げて臨んできた場合のみ勝敗が揺れる可能性あり。彼女らしい豪快な一発に期待しましょう。ただし佐藤はこれまで意外な黒星も多く、いままでの負けパターンは、状況が悪くなった時の判断ミス。これだけが怖い。攻めるべきときに攻め、手堅く戦うべきところはしっかり、これに尽きます。

78kg超級:素根輝(南筑高3年)

有力選手:キム・ミンジョン(韓国)、ワン・ヤン(中国)

優勝候補は素根。キムは世界的な強豪で掛け値なくかなり良い選手ですが、素根は現在2連勝中と相性が良いです。最も危険なのは中国の新鋭ワン。この選手は超大型、対戦成績は素根の2勝1敗。初対戦となった昨年のグランドスラム東京ではあっという間に勝ちましたが、2度目のグランドスラム・パリでは組み手と逆の左の払巻込という奇襲攻撃を食って投げられてしまいました。5月のグランプリ・フフホトでは接戦で素根が勝利しており、もし対戦となれば今回も熱戦確実。中国は明らかに「東京五輪はこの選手で戦う」と準備しており集中強化しており、東京に続く道、ということではぜひ見たい試合。組み合わせ予想ではキムとワンが上側、素根が下側の山。ワンとキムではキムに分があり、素根との対戦がない可能性も高いですが、対戦に期待しましょう。

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