─また、キャラクターの設定も原作とはちょっと変えていますよね。
木村:苑果さんがああいう設定の人だったのか、とか、ルカにあんな過去があったのか、とかね(笑)。
─それはやはり、本読みのときに先生とのやりとりがあったのですか?
木村:そうですね。でも、ルカのは聞いていなかったよね(笑)。
山田:そこらへんはアニメにするとどうしてもシンプルになるんです。
漫画連載で先生が
いろいろ考えて「ああしたい、こうしたい」というのはあるんだろうけど、
どうしても12本だと…やっぱりシンプルにしていかないと辛い。
だから最初、僕は「仮面●イダーの怪人でいいじゃん」
「●ョッカーの幹部だよ、苑果さんは」と思ってたんです(笑)
木村:悪役が厚みを増すとちょっと…。やっぱり主役はルチアとスミレという主軸はぶらしたくなかった。
漫画ならば主役は一切出ない回があってもいいですが、それはいわゆる漫画のおいしいところですから。
山田:アニメだったら、3クール4クールあれば…
木村:そういう話数もできるけどね。
山田:苑果さんとか与識が泥人形だって決まったのはシナリオ後半なんです。
それまでは「悪者」くらいしか決まっていませんでした。
木村:本当に、最後の方だよね。今回、めずらしくリュシフが徹底的に悪いヤツになってくれた、のかな?
山田:そうですね。そこらへんは原作の先生のリュシフ像とは違うと思うんです。
そういうズレは多分あると思います。
原作だと、もしかしたら「実はいい人」とかあるのかもしれないけれど、アニメではどんどん悪役になっていった。
木村:まあ、続きがどうなるのか、と。
山田:パート2があれば、復活から始まる(笑)。バ●ル二世みたいに…。
─他に、アニメサイドから提案した設定などはありますか?
木村:ライラの金平糖はアニメ発ですね。原作では普通にチョコレート・スナック菓子を食べてるけど、アニメではローラはチョコレート・スナック菓子、ライラは金平糖と差別化してます。
山田:まあ、チョコレート・スナック菓子が絵的にはいちばんわかりやすいし。
─それがあって、最後の五芒星につながるわけですし。
木村:あっそうだ、原作と一点変えたのがスミレの銃。
先生に「オートマチックにさせてください。
すみません! リボルバーは大変なんで、描けるアニメーターがいないんです!」って(笑)。
それに、ダビングで「今何発撃った?」とか…。スミレもリボルバーだと大変ですから。
山崎(制作プロデューサー):電車マニアと銃マニアはこだわりますからね。「高架に青と黄色の電車が通っている、ここはどこですか?」って。
木村:俺の中では、この作品の舞台は北海道なんだけどね。
TBS担当者:コンテに「北海道の街に陽が昇る」みたいに書いてあって、そこで知りました(笑)。
─作品中では、とくに舞台はどこだって言ってませんね。
木村:でも、ガイがあんな大爆発をやっても許されるのは、北海道くらいでしょう(笑)。
でも、関係者に「絶対に北海道にしろ」とは言えません。
山田:北海道のどこそこに行って、というのもなかったですしね。
ラベンダー畑に行って、とかあればまた違うんですが。僕のイメージでは東京の郊外でもいいかな。
木村:本当に北海道だったら、ライラあたりはラーメンが大好き(笑)とかね。
─ローラがホワイトチョコ好きになっていたかもしれませんね。