| ゆら | 「これよりッ! 第八次よい子のための統合作戦図上演習を開始するッ!」 | |
| ほのか | 「ゆ……ゆらちゃん?(汗)」 | |
| れんと | 「サバゲー講座じゃないんですか?」 | |
| ゆら | 「こっちの呼び方のほうがかっこよくないですか?」 | |
| カリラ | 「お前は中学2年生かよ」 | |
| 八千代 | 「そんなわけで勝手に始めちゃっていいんじゃん? 『よい子のためのサバゲー講座 第8回:サバゲーで勝つために?』はーじまりーっ」 | |
| ゆら | 「19世紀から21世紀にかけ、散兵戦術を基本とした歩兵戦闘は劇的変質を遂げました。散らばった兵士が小銃を撃つ、外見は同じでもその形態は激変しています」 | |
| ほのか | 「いろいろ勉強したのね。第7話で」 | |
| ゆら | 「現代で最も重要なのは3つの『C』!」 | |
| 八千代 | 「コマンドっ!」 | |
| カリラ | 「コントロール!」 | |
| れんと | 「コミュニケーション! ですね?」 | |
| ゆら | 「はい。さらにそれに加えてコンピュータのCと、インテリジェンス=情報戦のIで『C4I』として運用されますが、サバゲーは限定された分隊単位での直接交戦が想定されますのでこれらは省略します」 | |
| ほのか | 「ゆらちゃんってわたしより詳しいかも……」 | |
| ゆら | 「カリちゃん先輩みたいなエースアタッカーや八っちゃんみたいな特級狙撃手がいても、『指揮』され『統制』され『相互連携』する無名兵士集団には勝てないんです……それは凜さんたちが証明してます……だから……」 | |
| れんと | 「……」 | |
| カリラ | 「お、オイオイどーしたゆら? 少し落ち着け。な?」 | |
| 八千代 | 「疲れてるんじゃんー?」 | |
| ほのか | 「ねえゆらちゃん。いきなりだと難しすぎるから、とりあえずツーマンセルやスリーマンセルみたいな基本について解説してみたら?」 | |
| ゆら | 「あ、はい」 | |
| カリラ | 「だな」 | |
| ほのか | 「ツーマンセルっていうのはアルファベットで two man cell 、つまり『ふたりひと組』ってことよ」 | |
| れんと | 「誰と誰をカップリングさせるかが重要なのです」 | |
| カリラ | 「それはちげーよ! じゃあ続き続き」 | |
| ゆら | 「うん。じゃあ基本から。サバゲーはひとりで戦うよりふたり以上で連携したほうが絶対に有利なんです。なぜか? はい、れんちゃん!」 | |
| れんと | 「お互いに助け合えるから、ですよね?」 | |
| ゆら | 「うん。集中攻撃を受けたら反撃することも移動することもできません。そのとき、味方が別方向から支援射撃をしてくれれば相手の火力を一時的に沈黙させられます。その間に移動、そして攻撃。味方が攻撃されたら、今度はこっちが支援」 | |
| カリラ | 「ひとりがバックアップ、ひとりがアタック! まーオレはひとりでやるけどな?」 | |
| ほのか | 「もし、サバゲー定例会にひとりで出かけたら、思い切って話しかけて誰かひとり仲間を作るといいわね」 | |
| れんと | 「けっこうひとりで来てる人多いですしねー」 | |
| 八千代 | 「知らない戦友と呼吸を合わせて連係プレー、これ最高じゃんね!」 | |
| ゆら | 「連携をさらに発展させればより高度な作戦が立てられます。制圧射撃の支援の元、分隊の一部を後方に下げ大きく迂回させてから側面ないし背面を突きます」 | |
| ほのか | 「今回試した作戦ね?」 | |
| れんと | 「大成功でしたね!」 | |
| カリラ | 「さすがだな、ゆら! そのちゃん聞いたら絶対喜ぶぜ?」 | |
| ゆら | 「はいっ。ありがとうございますっ!」 | |
| 八千代 | 「じゃ、さっそく報告する?」 | |
| ゆら | 「うんっ! ……あれ?」 | |
| れんと | 「どうしました?」 | |
| ゆら | 「圏外でした……がくーっ」 | |
| ほのか | 「そもそも病棟内も携帯は使えないしね」 | |
| カリラ | 「つーわけで結果報告は来週までお預けだぜっ」 | |
| ゆら | 「24時間で結着するゲームなのにですかっ?」 | |
| ほのか | 「はい、今回のオチはここねっ♪」 | |
| れんと | 「ですです。お楽しみにです」 |