Interview
—— 冒頭のシーンは、コミックスだと表紙カバーを取ったところにある番外編なんですよね。
高柳:どこにあるの?って思いました。いつも原作を読むんですけど、そう言えばここにもあった!って。
鬼頭:原作を全部拾ってくれる上に、補完までしてくれるから、原作ファンからしてもすごく嬉しいですよね。
高柳:台本を読んでて、このセリフどこにあるんだろう?って思うと、原作で小さく手書きで書いてあったりするんです。
鬼頭:これは台本を読んでいる人にしかわからないんですけど、SEが面白いんです。「プワラ~~~ン♪」とか「ジャキーン」「シャワーン」「ジャーン パパパパッパーン」とか。ガヤのところで「ワイワイオー」って書いてあって、何だこれ?って思いました(笑)。
高柳:あと映画のシーンでの謎言語! 担当だったお二人がすごくうまくやってたんですけど、英語でもなかったみたいで、何語でもなかったらしいんです。
—— ブースでもよくわかってないみたいでしたね。
高柳:そうなんですか! でもそれを言語化して映画風にされていたお二人の技量がすごいなと思いました。めっちゃ西部劇っぽかったです。
—— 物語的には、カンニングとか悪いことができないシャミ子というのがわかりました。
高柳:悪い子にはなり切れないんですよね~。
鬼頭:ここのリリスも面白かったなぁ。
高柳:パピルスの重石にされてたのがちょっと面白かった(笑)。
—— 試験の成績は、一位が小倉さんだったんですよね。
高柳:さすが! 本当に何者なんだかわからない。
鬼頭:桃はシャミ先リリスにテストで負けたんですけど、悔しがってるのは珍しかったです。でもこれも普段とあまり差が出づらくて、演技は難しかったです……。
—— で、Bパート冒頭のお母さんですよね。
鬼頭:めちゃめちゃかわいかったです!
高柳:もともとセリフではなくSEだったんですけど、テストで大原さんが読んでらっしゃって。
—— 読む読まないは何も言われないんですね。
鬼頭:たぶん大原さんの判断で言われたんだと思うんですけど、そしたら本番で音響監督の岩波さんが「お母さん、かわいいです」って(笑)。
高柳:あははは。
鬼頭:トークバックしてわざわざ言うの、ずるい!って(笑)。私たちだってかわいいと思ってましたよって。
—— あのときはアフレコで一番盛り上がってましたね(笑)。でも大原さんの判断だったんですね。
高柳:テストで色々とやってみるとそれを採用してもらえるというか。テストはいろんなことをやってみないといけないんだなって思いました。
鬼頭:勉強になりました。
—— 後半は、ミカンが動揺しなくなるためにホラー映画を見に行く修行の話でした。
高柳:チャレンジャーが過ぎますよ! ただでさえ力が弱って不安定な桃に、これ以上心労をかけるわけにはいかないから、シャミ子を巻き込んでしまえと、映画に誘ったわけですけど。
—— でも、結局その現場も桃に見られるという。気まずいですよね。
高柳:気まずいですよ!
鬼頭:(桃が)ちょっとショックを受けているところがかわいかったです。
—— あれはショックを受けている演技だったんですね。
鬼頭:はい。絵がそうなっていたので。でも、やっぱりそれも難しく、普段の桃とあまり変わらない!ってなりながら、そこからさらに落とすって難しいなと思いました。
高柳:でも、感情が見えるようになってから、桃って本当にかわいいんです。だからシャミ子を奪って申し訳なかったなって。
—— 修羅場でしたからね。
鬼頭:確かに(笑)。私誘われてないけどっていう。
高柳:しかもわざわざ桃に休んでもらって、二人で映画に行ってるわけですから、とんでもない状況です。
鬼頭:完全にハブられてましたからね。
高柳:「別に桃をハブったわけじゃないのよ」って、ミカンがパニックになってるから全部口から出ちゃうんです(笑)。
—— でも、良かれと思ってやったことが裏目に出ちゃうのがミカンらしいというか。
鬼頭:本当は誰も悪くないのがいいですよね。ミカンも桃のことを思ってのことだから。
高柳:悪い子が誰も出てこない世界観だから見てて幸せになれるんです。シャミ子が血を取っちゃったのも、悪気はなかったわけだし。
—— あと、たまさくらちゃんは公式のゆるキャラなのに、フォロワーが80人っていうのが面白過ぎました。
鬼頭:いや、だいぶ! だいぶマイナーですよ!
高柳:こんなにグッズも出てるのに。
鬼頭:80人のために(笑)。
高柳:これ、絶対に赤字だよね。
鬼頭:むしろ桃がお金を落としているからグッズが出てるんだと思う(笑)。桃が買い支えてる!
高柳:桃さんのおかげでグッズが出せてたんだ……。