Interview
小原:前半に良ちゃんが出てくる話ですよね。
—— この回は、初めてほろっと来てしまうようなエピソードでした。
高橋:良子が魔族になったら、たぶん強かった……って思いました。
小原:私もそう思います! なぜこの子にツノが生えなかったんだと。欲しいものは何?と聞かれて、持ってくる本(兵法書)が難しかったりするじゃないですか。絶対この子のほうが頭いいのに!って思うんですよ。シャミ子も良が勉強できることもはわかってるんですよね。だからこそ、何でなんだ!って。
—— 良は良で、お姉ちゃんの軍師になる気でいますからね。
高橋:ここでシャミ子の家族の関係性とかを見ることができたのは良かったなって思います。
—— Bパートは、カメラを買った良のために桃がパソコンを貸してあげる話でした。パソコンを家に持ち帰るだけで、途中にいろんなハードルがあって。
高橋:帰り道で犬に吠えられたりするんですけど、表札のところに犬犬犬太犬って書いてあるんですよ。そういう小ネタも面白かったです。原作にもあるんですけど、みんなをあますところなく楽しませる精神が見えますよね。
—— お母さんとシャミ子と良でワチャワチャしているシーンが楽しそうでしたよね?
高橋:逆再生みたいになるところですね。この親あってのこの子たちだなって思いました。
小原:あそこは、あとゅふぁたあとゅふぁたって言ってたんです。
高橋:それを逆再生にすると「あたふたあたふた」に聞こえるらしいです。
——逆再生はあたふた(ATAFUTA)をローマ字にして逆から読むとできるらしいので、確かに「あとゅふぁた」ですね。そこに大原さやかさんが入ってるのも面白くて。
高橋:本当に!
小原:いつもお母さんが出てくるとホッとします。
高橋:そのしっかりしているお母さんも、やっぱりなんかポンコツ感があるというか、おっちょこちょいなところがあるんだけど、それにも桃の鉄壁のガードが効いているところが、また面白くて。
——借りたパソコンを踏んだり水をかけたりするけど、桃が予測して完璧に梱包して、見事に防ぎましたからね。
小原:そこで桃がシャミ子に手紙を書いてくれてたりするから、シャミ子も桃のことを好きになり始めていると思うんですよね。あと、ここでは監督がやりたいと言っていた、ご先祖の「くちゃいくちゃい」が出てきましたよね?
高橋:リリスの始祖像が生ゴミにグサッと刺さるところなんですけど、監督が「そのシーンが好き過ぎて、1回じゃなくて2回やりました」って嬉しそうに伝えてくれました。
小原:1話の頃でしたっけ? 前からおっしゃってましたよね?
高橋:「どうしてもここがやりたいんだ! のちのち出てくるからよろしくね」ってアフレコ開始したぐらいから言われてました。
小原:台本を見たときに、ついに来たか!と思いました。
——このときはシャミ子も電波の感度が良くなってたから、受信できたんですよね。
高橋:そうです。小倉さんの変な薬のおかげで。
小原:最初の頃はご先祖が急に出てきて、魔法少女を倒せなどいろいろ言うからシャミ子自体も何?って思うじゃないですか、突然ツノと尻尾も生えるし。でも話が進むにつれて、だんだんご先祖のほうが振り回され始めてる気がするんですよね。
高橋:意外とリリスの思考回路は普通の人なんですよ。
小原:だから、いつも申し訳ないという気持ちが強くなるんです。これは前の話数ですけど、シャミ子の体に入ったとき、「久しぶりのお外じゃあ!」って外に行ったじゃないですか。そのときシャミ子は「その間私何してれば」って言うんですけど、私自身の心の中では、「行ってらっしゃい! (体も)好きにしてください!」と思ってました。
——確かにちょっと同情しちゃうところはありますよね(笑)。
高橋:でも、あそこの空間はテレビもあるしこたつもあるから、いいところだよ。
——でも、結構長いことあそこにいますよね。
高橋:メソポタミアからですからね。…メソポタミアっていう単語、学校の社会の授業以外で初めて言った気がする。