アートギャラリー


Photograph by Robert McKeever, courtesy of Gagosian Gallery
©Estate of Roy Lichtenstein, N. Y. & JASPAR, Tokyo, 2013 E0434
《ブルーン!》
リキテンスタインは、1960年代に広告や漫画の一コマを拡大し、ベンデイ・ドットと呼ばれる印刷の網点をステンシルによって描く手法により、ポップ・アートを代表する作家となった。
彼の作品には、吹き出しやコマ割りといった漫画内で用いられる定型的な表現がしばしばそのまま描かれるが、本作においても「VAROOM!」という漫画的な擬音語を中心に、爆発の衝撃や煙、飛び散る破片などが放射状の線や赤青黄の三原色によって表現されている。
また、リキテンスタインは1962-64年にかけて、戦争漫画の中から衝突や爆発のシーンを取り出した一連の作品を制作していたが、本作では特定の場面や前後の文脈を示唆する要素は取り去られ、「爆発」という事象のみが抽出されている。