週刊Scoop[2月9日号]

神の使いか現代の悪魔か?「神父」板橋満生 ナイクラッド弾は自殺願望者の背を押すものか踏みとどまらせるためのお守りか「死を身近に感じることで踏みとどまらせることが出来れば」

(写真) 「神父」というハンドルネームで、自殺志願者の書き込みへの相談に乗っていたという板橋満生。自分もガンに侵され、余命いくばくもないと宣言されていたというが、まんじりともせずに死を待つ恐怖に耐えかね、自殺志願者のサイトを覗きに行ったのが始まりだという。さまざまな悩みを抱える人々の声に、心療内科医である板橋容疑者が耳を傾けるのは自然な流れだったのだろう。目的は不明だが、そんな板橋被告の行動につけこんだ「M」の行動は、人の心の奥底にまでも踏み込んでいて、板橋容疑者を間違った方法へと進ませてしまった。そのナイクラット弾を「贈り物」として受け取った相談者19人のうち、11人が自殺を踏みとどまったと言うが、自殺行為を実行し、5人もの人間が命を絶ってしまった。

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(写真) マスコミは板橋容疑者の真意を知ることもなく、その5人だけを指し板橋容疑者を「現代の死神」「悪魔」と断罪している。結果とはその5人を指すべきか11人を示すべきか。目的と手段、そして結果は必ずしも一致するものではない。人を殺傷できるものは牽制するための役には立たない。彼らにとっての本当の「贈り物」は、話を聞いてくれる存在・板橋容疑者本人だったのかもしれない。

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