週刊Scoop[2月2日号]

早々に「国テロ」との結論を導き出した霧山六郎元警察庁次長、「霧山塾」と「M」に関連が?NPSの香椎隊長の抱いた疑念

(写真) 今回の事件が発生したのは、ちょうどSAT、NPSの合同訓練が行われている最中であった。この合同訓練の準備は極めて慎重に行われており、ミッションの一部である人質役・横川警視の移動も極秘裏に進行していた。それなのに運転していたSATの隊員が犠牲となり、横川警視をトラックごと奪取されるという大事件は、警察として何としても隠蔽したい事実だったようだ。「これは訓練の一環」という扱いで、警察内部にも極秘で捜査をすすめた警備部の言い分は「日本警察最後の砦である『S』が出し抜かれるなどあってはならない」ということだが、大切なことは警察の面子ではなく、隊員の命のはずだ。そして何より「テロリストの侵入」という事実を国民に伏せてしまったことが大きな問題なのは間違いないだろう。

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今回の事件は警察上層部に伝えられなかったため、「なかったこと」とされるが、現場にいた警察官たちはみな知っている「事実」であり、当事者でもある。霧山元警察庁次長は、状況分析の前に即座に「国テロ」と断定したが、どの点を持って即断したのだろうか。トラック奪取にいたっては、今回の訓練関係者から情報が漏れていた可能性もあり、警察内部とテロリストに繋がりがあるということになる。警備課の隠蔽に関しては褒められたことではないが、それだけの大事件であるためという認識であるのに、霧山氏、天城審議官はまったく動じる様子がなかった。このタイミング、合同訓練の関係者、国テロとの即時断定、そしてこれまでの事件の陰に見え隠れした「M」の存在…保護された横川警視の証言から、「M」が何らかの権力と繋がっているとの懸念をNPS香椎隊長が抱いてもおかしくはない。日本警察の改革を目指すという「霧山塾」のまわりにただようきな臭さが、さらに強まってきた今回の事件、この先の「M」が活動を活発化させないように願うばかりである。

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