週刊Scoop[1月19日号]

命を軽く考える若者が増加中 時代の閉塞感から脱却できずに将来を悲観し凶悪犯罪に走る最悪のケースも「自分たちはこんな時代に生まれた被害者」

(写真) 高度経済成長、バブル世代、ゆとり教育…どの時代も大人になって、振り返って見たときに初めて「あの頃は良かった」と思うことがあるかも知れないが、成長過程においては満足を感じる人は少ないだろう。「隣の芝生は青く見える」の例えのように、誰しもまわりの人が羨ましい。バブル世代は上の世代に対し、夢を持てたことが羨ましい、ゆとり世代はバブル時代のあの飽食の楽しさが羨ましい、今、自分が面白くないのはなんでもかんでも時代のせい、決っして自分は悪くない、悪いのは社会、いい学校に入れないのもいい会社に入れないのも、思い通りにならないのもすべてすべて時代、社会のせい、ならば自分で楽しさを見つけるしかない、今の自分が楽しむためのことをして何が悪いのか…そうやって刹那の快楽を求める若者が増えてきたのではないだろうか。低年齢化する犯罪、人の命をおもちゃと捕らえ、人間相手に実弾でウィリアム・テルごっこをするなど、通常では考えも及ばず、到底許されることではない。しかし彼らは「こんな社会に未練はない、つかまって死刑になるのもいい」という軽い考えで犯罪を犯す。爆弾を作る、作戦を練るという「知識」的に優秀な頭脳を持ちながら、その使用法を間違えているのだ。それはある意味確かに社会、大人たちの責任かも知れない。「自分のような思いはさせたくない」と、いやなことから目をそらし続け、こんな社会を作り出し、きちんと叱って分からせる努力を怠った責任は確かにあるだろう。本当に教えなければならないのは「命の大切さ」という、あまりにも基本的なことであるということを、親たちにも教えなければならないのではなかろうか。

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