「M」による誘拐テロ事件、日本警察の威信をかけた捜査、そして救出作戦が始まります。対テロ組織として結成されたSATへの出動要請、「M」の第2のテロ、その裏に透けて見える霧山の暗躍…
「サッチョー1の切れ者」との呼び声も高く、おそらく真相に近づいているであろう香椎隊長は今回の事件をどう見ているのでしょう。「確保を信条とするNPSの産みの親」・霧山さん、彼がこれまで歩んできた「日本特殊部隊の歴史」から導き出される日本の警察の理想形、その姿を実現させるための布石、その中でのNPSの役割…これまで疑念に過ぎなかったこれらの問題をついに突きつける香椎さん
近藤さん「ここは香椎くんのシーンだから、ぼくはあまり動かないほうがいいですよね。」
監督「そうですね、でも警察のエンブレムの前には行っていただきたいです。」
近藤さんはとても穏やかな方です。その穏やかさの中から、時に見せる厳しいまなざしが霧山さんの深い決意を見せてくれます。霧山さんが香椎さんを認めているように近藤さんも大森さんをとてもいい俳優さんだと考えていらっしゃって、「霧山」と「香椎」という二人の関係性をその歩みだけで知らしめてくださいます。対等であって対等でない二人、切れ者・香椎さんが百戦錬磨の霧山さんにどう立ち向かうのか…
話は終わりと去って行く霧山さん
監督「去り際、いい感じですね。」
近藤さん「だって、まだ会議中だから早く戻らないと。あまり中座してると変に思われるでしょ、ずっと気になってたんだ。」
ドラマの流れって大切(笑)。シーンとしてかっこよくても、前後で実際に行われているシーンとの相互性がないといけませんからね!
警察組織というのは、上の命令は絶対です。だからこそ蘇我さんも出向命令を受け入れ、本来ならば不本意の「確保」をすべくNPSで働きました。そんなNPSに今回「制圧やむなし」との命令が下されても、香椎さんはじめチームだって受け入れられるはずがありません。テロリストといえども同じ人間、ひとつの命。そう心に刻み付けてきたNPSのメンバーに香椎さんはこんなことを言いたくない。香椎さんの言っていた「命のハードル」、この言葉をどうか覚えていてください。テロリストの命、被害者の命、そして警察官の命。最終回は間違いなく、この「命のハードル」がキーワードになっていると思います。「確保のために仲間が死ぬようなことになったら」、そんな不安が身をすくめ、それならばと思うこともあるのかも知れない。でも、NPSは知っている。ここは警察組織ではあるけれど、NPSのメンバーはチーム。自分たちのすべきことを信じて、どんなに難しくても、どんなにつらくても、絶対にやりぬいて帰ってくる。
一號くんはこれまで銃を持つことはありませんでした。警察官ですから、もちろん訓練は受けていますし交番勤務の際は装備が規則ですから携帯していました。でもNPSに来てからは持たないようにしています。それは「必要ない」から。超法規的な存在であるNPSであればこそでしたが、正木を相手に丸腰ではさすがに危ない。銃を渡す香椎隊長の想いをどう感じるのか…
「大切な人を守りたい」それは誰もが思うこと。テロに巻き込まれた市民の命、無事を願う家族たち。それら全ての想いを受けて出動するNPS。
最終話、HPスタッフは第1話を思い返しながら見ていただきたいと思います。ボクサーの道をあきらめた一號くん、あのときバンテージを外して新しい道へと導いたのは会長でした。一號くんの拳を最初に見出した会長、忘れてはいけないこの拳の意味、その会長たちにも迫る危険に一號はその拳で向かって守ることが出来るのか。
拳だけではなく銃を持つこと。香椎さんとの出会い、蘇我さんとの出会い、そしてこれまで関わった事件の関係者たち…きっと制圧する蘇我さんの気持ちが胸をよぎったことでしょう。以前、一號くんは蘇我さんに「銃は持たないのか」と聞かれました。まだ出動経験も少なかったあの頃はストレートに「確保」することを信じてこられた、でも今回はうまくいかないかも知れない。NPSを去っていく蘇我さんに「自分の信じる道を」と言われた一號くん、その道に置かれた「M」という大きな石。これを越えていかないときっと前には進めない。作戦遂行前、本部ですれ違った蘇我さん、彼はもう「SAT」の人。
綾野さん「最初の頃の関係とは違っていますけど、作戦に向かうSATの蘇我としての雰囲気も出したいです。」
認められない出会いから、同じチームとなって、少しずつでも歩み寄ったかに見えた。だけど自分の求める道は別の道。SATこそ「日本警察最後の砦」と信じる蘇我さんはじめ、SATのメンバーは正木に対して「確保」という概念は存在しません。
NPSとSAT、香椎隊長と中丸隊長、そして一號くんと蘇我さん、それぞれの道は交わることはないのでしょうか。大きな事件、「M」という大きな壁の奥にある真相、そこにたどり着けることが出来るのか、そしてそこから大切な人たちが待つ場所へ帰ることが出来るのか。
正木との決戦、真実への道、壮絶な闘いが幕をあけるのは16日よる8時54分!