TBS「2018 ワールドカップ ロシア」

6月開幕

PLAYBACK SAMURAI BLUE 日本代表のW杯軌跡を振りかえる

最終回2018.07.04 更新
死闘の末に散るも:2018年ロシア大会

日本代表のワールドカップ(以下、W杯)の軌跡を辿る企画。
最終回の第6弾は惜しくもベスト16で散ることとなった2018年ロシアW杯。

失意に終わった2014年W杯後、日本はメキシコ人のハビエル・アギーレ監督を招聘したが半年も経たないうちにサラゴサを指揮していた時代の八百長疑惑が持ち上がる。
アギーレ監督がスペイン当局に告発されたのを受け、日本は苦渋の決断で同監督を解任。
2015年3月に新監督としてボスニア・ヘルツェゴビナ人のバヒド・ハリルホジッチ氏を迎え入れることになった。

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 しかし、W杯に向けての監督人事に関する混乱は終わらない。
W杯開幕2ヵ月前という段階で、日本サッカー協会はハリルホジッチ監督を電撃解任。
後任には1996年アトランタ五輪でブラジルを破る「マイアミの奇跡」を起こした西野朗氏が指名された。
岡田武史氏に次いで、史上2人目のW杯日本人監督となる。

 W杯前の親善試合6試合で1勝1分4敗と低調だった日本の前評判は低かった。
しかし、W杯初戦のコロンビア戦では開始3分でコロンビア選手が退場。
香川真司のPKで先制すると、同点に追い付かれた後半に大迫勇也が決勝点を挙げて日本が望外の勝利を手にする。
W杯でアジア勢が南米勢に勝利したのは史上初の快挙となっている。

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 続く第2戦のセネガル戦は乾貴士と本田圭佑のゴールで2-2と引き分け貴重な勝ち点1を得る。
本田は日本人初の3大会連続ゴールを記録。
明確な記録が残る1966年W杯以降、3大会連続でゴールとアシストを記録した史上6人目の選手となった。

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 決勝トーナメント進出が懸かったグループリーグ(以下、GL)第3戦のポーランド戦、日本は引き分け以上で自力での突破を確定させられたが、ポーランドに先行される展開に。同時進行のコロンビア対セネガル戦でコロンビア1点リードの報を受け、日本は0-1で負けているにも関わらず時間稼ぎのボール回しをするという前代未聞の作戦に打って出た(このまま終われば日本が2位通過)。
結局、日本の狙い通りに他会場のスコアは動かず試合終了。
他力での決勝トーナメント進出となったが、多少の物議を醸した。
なお、日本は警告数で換算する「フェアプレーポイント」でGLを勝ち上がった史上初のチームとなっている。

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そして運命のベルギー戦、日本にとっては3度目のベスト8挑戦となる。

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試合は後半20分過ぎまでに日本が原口元気と乾貴士のゴールで2点リードするという願ってもない展開となっていたが、そこからベルギーの怒涛の反撃を受けてまさかの逆転負け。

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W杯決勝トーナメント90分間で2点差以上を逆転されたのは1966年W杯のポルトガル対北朝鮮以来52年ぶりの悲劇となる。

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 日本の2018年W杯は死闘の末に幕を閉じたが、その闘いぶりは世界から高い評価を受けた。
下馬評を覆して最近5大会で3度目の決勝トーナメント進出を果たした日本。
32ヵ国制になった1998年W杯以降、すべての大会に出場し、その半分以上で決勝トーナメント進出を果たしている国は日本を含めて8ヵ国しかない。
そう考えると、日本のW杯の軌跡は思っている以上に誇れるのではないだろうか。

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<サッカーコラムニスト 宝田雅樹>

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