TBS「2018 ワールドカップ ロシア」

6月開幕

あなたの知らない 宝田式 ワールドカップの法則

2018年ワールドカップ 総括編2018.07.17 更新
潰えた法則

 興奮と波乱に満ちた2018年ロシアワールドカップ(以下、W杯)が15日(日本時間16日未明)、フランスの5大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。
今大会も様々な法則が発動して大会を大いに賑わせた。
例えば、前年度のバロンドール受賞者が優勝できない「バロンドールの呪い」や、自国監督が率いた国しか優勝できない「優勝国は自国監督の法則」といったジンクスは潰えることなく次回以降のW杯にも持ちこされることになった。

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そんな中、今大会はひとつの大きな法則がとうとう潰えることとなった。
それが、西ドイツ時代を含めたドイツの「W杯連続ベスト16以上」という記録である。
初出場となった1934年W杯以降、ドイツはこれまで出場した全18大会でベスト16を下回ったことがなかった。もっといえば、戦後出場した16大会はすべてベスト8以上。
日本未踏の地である準々決勝が最低ラインという、驚異的な戦績をドイツは誇っていた。

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 しかし、どんな偉大な記録にもいつかは終わりの時が来る。ロシアW杯はドイツが史上初めてグループリーグ(以下、GL)敗退を喫した大会として記録されることになる。
そして、ひとつの法則が終わると同時に新たな法則も生まれる。それが「前回王者の呪い」となる。
2010年W杯のイタリア、2014年W杯のスペイン、そして今大会のドイツと、本来であれば優勝候補筆頭のはずの前回王者がここ3大会ではすべてGL敗退の憂き目に遭っている。
4年後のカタールW杯では大会前にフランスがこのジンクスで散々煽られるのが容易に予想できる。

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 最後に、我ら日本代表が打ち破った強固な法則にも触れておこう。
今大会のGL初戦で日本はコロンビアを破る大金星を挙げたが、
W杯でアジア勢が南米勢に勝利を収めたのは19試合目にして史上初の快挙となる。
さらに、W杯を含めてコンフェデレーションズ杯(キング・ファハド杯)、
コパ・アメリカ、W杯予選大陸間プレーオフといったA代表公式戦では
アジア勢として35試合目にして初の対南米勢勝利となる。
日本は1966年から始まったこの法則を、52年という歳月の果てにW杯という大舞台で打ち破ったのだ。
日本のみならず、アジアとしての快挙といえる。

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宝田目線の潰えた法則「キーマン」はコイツだ!

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韓国代表キム・ヨングォン

GL最終戦でドイツを地獄に叩き落とす得点を記録。
ドイツを史上初めてGL敗退に追いやった歴史的なゴールを挙げた。

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日本代表大迫勇也

W杯初戦のコロンビア戦で「半端ない」ヘディングシュートから決勝点をマーク。
アジア勢として公式戦で初めて南米勢を沈める値千金の決勝点を挙げた。

<サッカーコラムニスト 宝田雅樹>

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