2019.3.10 OA
#73 丸山清人
83歳 銭湯絵師

浴場専門の広告会社に就職し、絵師の道へ。
日本でわずか3人となった銭湯絵師の中で最年長。

このね、背景画ってのはね、
消される運命なの。

親戚の家で、浴場専門の広告会社をやってたの。
へぇ〜、こんな絵あるんだと思って、そんな感じですんなり入っちゃったわけ。

このね、背景画ってのはね、消される運命なの。だって、毎年描きかえだもの。
どのように見てくれるか。そういうこと考えながら、描いてるんですけどね。
癒してくれるのかな〜と思いながらさ。

同じ富士山、二度と描けねえんだよ。
だって、形が同じだから富士山って。ごまかしきかねぇから。
まだだめ。一生かかるんじゃない?

そりゃ満足はしてますよ。描いたときはね。
ほんで少し経つと、粗が見えてくるわけ。絵っつうのはそうなのよ。
だからあんまりね、自分の描いた銭湯に行きたくないのよ。

やっぱ出来上がったときだね。一服してさ、あ〜どうだろうっていう。
座右の銘ってのは生涯現役。だから俺、刷毛持ってバタンといきたいほうなのよ。