●2001年 4月7日
 地雷による被害の実態 〜地雷の知識 (その3)〜


地雷の知識(その1)でも説明しましたが、対人地雷の火薬の威力は、敵対勢力の兵士を殺すより傷つけた方が、より戦略的に負担を与えられるという理由から、あえて成人男子の手足を吹き飛ばす程度に抑えられています。
とはいえ、対人地雷の被害による死者の数は、特に子供については、決して少なくありません。なぜでしょうか。
 地雷原がある国を思い浮かべて下さい。それは、カンボジアであり、モザンビークであり、決して医療環境や交通環境が整っているとは言えない国がほとんどです。そのため、被害者は生きているうちに、病院にたどり着けないというケースも多いのです。ICRC(赤十字国際委員会)の調査によれば、生きて病院に辿り着ける地雷の被害者は、2人に1人と報告されています。

山中など生活圏を離れた場所で地雷を踏み、何時間も出血が続いた後、誰にも看取られずに一人で亡くなっていく子供達がいます。
交通・通信手段が発達していない地域で被害にあい、病院に向かう途中で息を引き取る人々がいます。
対人地雷による障害者の後ろに目に見えないもう一人の犠牲者がいるといわれるのは、このような被害の実態があるからです。

・病院到着までに死亡する子供達の割合・・・85%
・カンボジアにおける事故後病院到着までの平均所要時間・・・約12時間
・対人地雷による死傷者発生の割合・・・22分に1人

被害に遭わないためには、地雷原に近づかなければいい、という声もあるでしょうが、被害者の大半は、農作業、家畜の世話、伐採など、不注意ではなく、生きるためにやむなく危険な地雷原に足を踏み入れざるを得なかった人々だという現実を、私達はもう一度見つめなおす必要があるのではないでしょうか。


参考文献:地雷問題ハンドブック 自由国民社

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