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●「こきりこ」の歴史

ちょっと余談だが、数ある五箇山民謡の中から「こきりこ(筑子)」に注目し、その歴史をかじってみる。
「こきりこ」は、越中五箇山・上梨の山里を中心に伝承された民謡で、大化改新(645年頃)の頃から田楽として歌い継がれてきたと言い伝えられている。「こきりこ」は、外部から隔絶された五箇山の山村、上梨の白山宮(はくさんぐう)の祭礼に歌い踊られてきたが、大正末期から昭和初期にかけての電源開発などの外部との交流が始めるにつれ次第に忘れ去られ、その伝承は途絶えてしまった。しかし、昭和26年、高梨敬親という郷土民謡研究家によって再度発掘された。昭和28年には第4回選定無形文化財として、全国郷土芸能大会に出場し、昭和44年には文部省が中学校の共通歌唱教材に指定、全国的に知られるようになった。「こきりこ」が演じられる際には、唄に合わせて「しで踊り」と呼ばれる女性による奉納舞、男性が「ささら」を持って勇壮に軽快に踊る「ささら踊り」、それに何も持たずに踊る「手踊り」の3種類の踊りが添えられる。「こきりこの里」上梨には、越中五箇山筑子唄保存会があって、大切にこきりこの唄と踊りを伝承し、2001年に保存会50周年を迎えた。

ここで、ついでに「こきりこ節」の歌詞と意味についてもふれておこう。

(はやし) 窓のさんさもデデレコデン はれのさんさもデデレコデン

こきりこの竹は七寸五分じゃ 長は袖のかなかいじゃ
踊りたか踊れ 泣く子をいくせ ささらは 窓のもとにある
向かいの山を担ずことすれば 荷縄が切れて担づかれぬ
向の山に啼く鵯(ひよどり)は 啼いては下がり啼いては上がり 朝草刈りの目をさます
月見て歌う放下(ほうか)のコキリコ 竹の夜声の澄みわたる



こきりこの竹は23cmの長さである。 それより長いと袖に引っかかってじゃまになる。
踊りたければ踊りなさい。泣く子はよこしなさい。ささらは、窓のところにあるので、それをもって踊りなさい。
向かいの山を荷縄でしばって担ごうとすれば 荷縄が切れて担ぐことができいない。
向こうの山でなくヒヨドリは、ないては上がったり下がったりして、朝草を刈る人々の目を覚ましてくれる。
月夜に歌う大道芸人のこきりこ節は、竹の音とともに夜空に澄みわたる。

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