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大会期間中、朝から晩まで全日本選手12人を取材しつづけた「court
side リポーター」のS記者が、葛和ジャパンにとって「忘れらない1日」を密着取材しました。
午後3時15分。
日曜日とあって、選手村となっている品川プリンスホテル前に大勢のファンが集まり、選手が出てくるのを待っている。選手はいつもはできるだけ全員そろってからバスに乗り込むのだが、パニックを避けるため、ロビーに来た順にすぐに乗りこむことに… 相変わらず一番乗りは竹下選手。
続いて、ファンの多さに驚きながら、出てきたのは満永選手。 突然バスに乗りこんでいた吉田コーチが窓を開けて叫んだ! 「第1セット終了!!イタリア1−0で取りました!!!」
「きゃーっ」という悲鳴のような歓声。 バスに乗り込む高橋選手も「マジ!?マジ!?マジ!?」と笑顔がこぼれる。
午後3時30分。
葛和監督と小島団長が、最後にゆっくりとバスに乗り込み、予定の時刻通り、全日本女子チームが選手村を出発。盛大なファンの声に見送られながら…
午後4時。
東京体育館に着いたバスを待っていたのは、大勢の報道陣のカメラ、カメラ、カメラ。 「なんかカメラのトンネルができてるね」と吉田コーチ。 移動中に入ってきた第3試合の続報(セットカウント1−1)が耳に入っているらしく、乗り込む時とは違う厳しい表情になっている。
そう... 会場では日本チームの運命を半分握っている第3試合、クロアチア対イタリアが行われている真っ最中なのだ。 日本の夢をつないで欲しいという祈りを込めたファンのイタリアへの大声援の中、会場入りから程なく、試合を見つめる葛和監督の姿がコートの片隅に…
午後4時34分。
第3試合終了。バーバラ・イエリッチの大爆発でクロアチア勝利。 シドニーへの夢が絶たれた瞬間、葛和監督は口をキッと結ぶと、自分に何かを言い聞かせるように何度もうなずきながら、選手控え室に向かった。
試合前のウォーミングアップのため、第2コートに集まった選手たち。 小島団長を中心に体を抱きかかえるように座った選手たち。 じっと一点を見つめる監督。 どの様に伝えられたのかは判らないが、涙を拭う選手の姿が遠目に見える…
午後5時35分。
選手たちは泣きながら選手入場に控えていた。 それでもこれから試合をしなければいけない。 気丈に涙を見せず、他の選手を励ます江藤選手。これが葛和ジャパンのキャプテンの姿なのだ。
あまりにも痛々しい姿だった。 オープニングセレモニーが始まり、会場に入ってきた選手たち。 その目は赤く、しかしもう涙はなかった。 「がんばろう」津雲選手が声をかける。うなずく江藤選手。
この姿に連動するように他の選手たちも動き出した。 「がんばろう!ヨッシャー!!」
コートに一人ずつ呼ばれるアナウンスが始まった。“No.1!葛和ジャパンのキャプテン この人がニッポンの止める人...江藤直美!!”
一瞬、江藤選手の瞳がみるみる赤くなっていく。 ぐっと唇をかみ締めコートに入っていく… 次々と続く選手たち。しっかりと前を見据え、その表情は美しいとさえ感じた。
君が代斉唱…シドニーで歌いたかっただろう。中には日の丸を胸に歌うのは最後だと思っていた選手もいた。
午後6時1分。
韓国戦が始まった。
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“バレーは6人でやるスポーツ”だと小学校で習ったのを憶えている。でもこの大会では違う。日本は、我らが全日本女子チームは“バレーは12人でやるスポーツ”だった。
12人…コートに立つだけではない。声が出なくなるまで励まし気力を盛り立てる選手も一緒に戦っていたのだ。 監督、コーチ、マネージャー、トレーナー、アナリスト…
コートサイドにはスポットライトが当たらない。でもコートの中の選手だけでは戦えない。 葛和監督のよく言う『全員バレー』 その姿に新たな感動を感じたファンは、私を含めきっと大勢いることでしょう。
「ありがとう」 いま、私は選手達に、チームのみなさんに、何よりもこの言葉を送りたい。 そして再びその輝く笑顔を楽しみにしていると…
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