声をかけてくださって本当にうれしかったです。
宮藤官九郎さんがどういう風に私を料理してくださるのか、とても楽しみでした。
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『 うぬぼれ刑事 』 は、主人公のうぬぼれさんが必ず犯人を好きになってプロポーズをするというパターンになっているでしょ。若いうぬぼれさんが私の演じる役を好きになるという過程をどのように描いてくださるののかしらと楽しみにしていたのですが… 見事でしたね。笑いや軽妙さの陰に、人間の機微が描かれている。すごく面白かったので、早く演じたいなと思いました。 あとは、官九郎さんとは 『 印獣 』 (2009年・舞台) の脚本を書いてくださったことでご一緒したばかりだったのですが、『 うぬぼれ刑事 』 の台本の中に、「 貴婦人 」 という言葉がたくさん出てきて… 個人的にはうれしくて、うれしくて。というのも 『 印獣 』 に、私の演じた女優・麗子が、戦隊ヒーロー 「 海鮮ジャー 」 の悪役、「 毒マグロ貴婦人 」 を演じるというくだりがあり、“貴婦人” という言葉をわざと入れてくださったんだなと、官九郎さんは私をイメージしながら、“今” を書いてくださったんだなとうれしく思いました。
九十九千里はミステリー作家なのですが、笑顔の裏に悲しみが隠れている人物だなと思いました。作家と表現者 (女優) って、仕事に対する思いに共通する部分があると思うんです。
だから私も、彼女 (九十九千里) の気持ちを理解できるし、罪を犯してしまった彼女の作家としての悲しみを表現したいと台本を何度も読み、吉田監督と相談させていただきながら撮影させていただきました。がんばって演じましたが… 楽しんでいただけるか心配です (笑)。
実は、全て自前の衣装なんですよ。台本を読ませていただいて、役柄と私の持っている衣装がピッタリだと思ったので、私からお願いして使用させていただきました。
うぬぼれさんと出会うシーンは若作りして (笑)、葉造さんと出会うところは着物にして、要所でドレスを着用させていただいて… 七変化とまではいきませんが、たくさん扮装しましたね。
九十九千里は、うぬぼれさん・葉造さんよりも年上の60代の女性。うぬぼれさんや葉造さんが九十九千里のどこを好きなるのか楽しみにしていてください。また、好きになってしまうような女性になればと一生懸命演じましたので、『 うぬぼれ刑事 』 第8話をぜひご覧くださいね。