あらすじ

地方のある時計店。店主の 秋山守一 (國村隼) は腕の良い時計職人だが、最近、視力に違和感を覚え店じまいも考えていた。
そんな秋山の元に古い腕時計を修理してほしいと、宮原リョウ (沢尻エリカ) という若い女性が訪ねてきた。数日後、再び店を訪れたリョウは意外なことを秋山に語る。その古い時計は、石巻で美容師をしており、二年前、津波に襲われたリョウの母親の形見だという。

時計は手巻きのビンテージもので、コレクターなら高価で買い取りたい品物だ。なぜかその時計に見覚えのあった秋山は、リョウの母の名が 国木知花子 (木村文乃) だと知り驚いた。知花子はかつての秋山の恋人だったからだ。

25年前、美容師だった知花子は 秋山 (中村勘九郎) と同じデパートに勤めていた。社員旅行で親しくなった二人は惹かれあっていく。リョウが持っていた時計はこの時期、秋山が知花子にプレゼントしたものだった。幸せな時間を過ごした二人だったが、秋山が上司の娘とデートをしたことをきっかけに、知花子の心は離れ、秋山の元を去った。それ以来、知花子の行方は分からなかった。

そんなことを思い出していた秋山に、リョウは知人の保証人となっていた知花子の負債がもとで、取り立て屋に追われていると明かし、かくまってほしいと訴える。一旦は断った秋山だが、リョウの身に危害が及ぶことを案じ、しぶしぶ同居をすることになった。リョウは秋山が自分の父親なのではないかと期待しており、秋山はそんなはずはないと思いながらも複雑な心境だ。

その頃、町内では文化センター建築を巡り、人々の心の支えになっている欅を切るかどうかで意見が分かれていた。面倒見のよい近所の植木屋、花村司 (桐谷健太) は、町内会の見回りで時計屋に出入りしており、リョウに興味津々だ。
秋山はリョウを悩ませている母親の負債を返済するために、リョウが持ち込んだ時計を修理してコレクターの 友保 (小林稔侍) に売却することを提案し、難儀な仕事に取り組むのだったが…