インタビュー

沢尻エリカさん

脚本を読まれた感想を聞かせてください。

作品自体がシンプルと言いますかピュアな物語で、台本を読んで泣きました。わたし自身にとてもシンクロする部分があって、夜中にもかかわらず、あまりに感動してマネージャーに 「絶対にやる!」 と電話をかけてしまいました。
わたしが演じる、ということで脚本を書いてくださったというのは、後になってから知りました。池端先生とは 「悪女について」 でご一緒させていただきましたが、今、オリジナルのドラマが少なくなっている中で、わたしのことをイメージして書いてくださったということは、とてもすごいことで嬉しいです。

演じていらっしゃる 「宮原リョウ」 という女性はどういう人だと思いますか?

リョウは好奇心が強くて、そして本当にすごく優しい、いい子です。楽しく元気に、よりナチュラルに、ということを意識して作り過ぎないようにしました。
母の手ひとつで育てられたリョウが、津波で母を亡くし、大きな喪失感から父親だろうと思う秋山さんを訪ねていくところから物語は始まります。最初は赤の他人だった二人が、距離を近づけていく、そこを國村さんとの二人の芝居を通して丁寧に描ければと思って取り組みました。一方、一人で心情を語るシーンは、素直な気持ちで演じることが出来たと思っています。
「普通の女の子」 という役は、演じ方で変わってきます。芝居を通してどう個性を入れていけるかが課題で、いろいろな挑戦をしてみたのですが、とても楽しかったです。山室監督もそういう部分がよく見えるような演出をしてくださったので、やりがいがありつつ、こういうアプローチもあるんだ、と自分の新たな可能性を発見できました。

この作品では、震災についても触れられていますが…

東日本大震災以降、わたしも周りの皆さんも生き方といいますか、いろいろなことを深く考えたと思います。実際に被害にあわれた方も、そうでない方も日本中が改めて考えてくれるような、ちょっとした気づきのきっかけになってくれればと思います。

國村隼さん、桐谷健太さんとの現場での雰囲気はいかがでしたか?

國村さんとは初めてご一緒させていただいたのですが、これまでの役柄からも怖そうなイメージを持っていたんです。でもお話してみるととても気さくで、イメージとはまったく違いました。いろいろな話で盛り上がって現場はとても楽しかったです。芝居に関しては絶対的な安定感で秋山さんそのもので、ただただ素晴らしいとしかいえません。 桐谷さんは、わたしと國村さんが二人で向き合っているところに、ぱっと突然やってきてかき乱していきます (笑)。3人のシーンは全然違っていて、とても楽しいです!
ふだんめったに NG はないのですが、一度ツボに入ってしまったことがあって、笑ってしまってなかなか撮影が進まなかったことがあるくらいです (笑)。

役者として、演じることをどう感じていらっしゃいますか?

ここ数年、自分の中で価値観や想いがすごく変わってきて、以前とは全然違うなと思います。単純に年をとって、ある意味落ち着いたのかも知れません (笑)。ストレートに芝居に入っていけるようになって、すごく楽しいですし、初心に帰ったような気がします。
振り返ってみて、そのときの経験や置かれた状況が今のわたしを作ってきているのは間違いないので、飾らない素の部分を大事にしていこうと思っています。
やりたいことはいろいろありますが、やれることを一つ一つやっていきたいです。

役を通していろんな人生を経験させてもらっているので、人としても役者としても幅を広げて常に挑戦していきたいですね。

ご覧になる皆さまにメッセージをお願いします。

物語にはすごく深いメッセージがたくさん入っていますが、やはり人は一人では生きていけない、支えあって生きていくということが基本にあります。同時に、人というのは完全にいい人にも悪い人にもなりきれない、いろんな面があるので 「この人にはこういう面もあるんだ」 と気楽に見ていただけたらと思います。
人は人との出会いで自分も変わっていけるし、希望もあります。希望というのはすごく大事で、この作品に出会えて自分の未来や他のことも信じていける、という希望が見えました。登場人物もとてもとても少なくて、お互いにじっくりと向き合って、監督とも丁寧に作っています。キャストもスタッフも、このメンバーだからこそのドラマになっていると思います。わたし自身、完成を見るのが楽しみです。