宇佐美鎌市/小林薫

華族会館の料理長。篤蔵の最初の勤め先の華族会館厨房のトップで、篤蔵の料理人としての才能に初めて気づいた料理人としての父に当たる人物。
外国人コックの元で鍛え上げた腕は天下一品だが、コック帽をかぶらない限り、その風貌は鉄火場の親分そのもの。しかし、本人は至って神経質。その料理はとにかく繊細で美しい。それはまったくもって素晴らしいのだが、その繊細さを部下にまで要求する。要求水準を満たさぬ場合は、ためらいなく鉄拳制裁。「料理は真心」 が信条で、どんな料理も一切の手抜きをしない。人柄はともかく、そこに関しては一切ぶれがない男。篤蔵の人生における師である。