もうひとつの「阿寒に果つ」〜氷の自画像を尋ねて〜

出演

宝生舞、渡辺淳一、日野原冬子 ほか

1995年、1冊の不思議な画集が出版された。作者は、その44年前に天才少女画家と騒がれながら、冬の阿寒湖で謎の死を遂げた札幌の女子高生・加清純子。純子については、当時の恋人だった作家・渡辺淳一の小説「阿寒に果つ」の中で語り継がれてきたが、彼女の作品のほとんどは所在が分からなくなっていた。この画集には、死の数日前に描かれた純子の自画像や未完の阿寒の風景画が収められている。
純子はどうして吹雪の中、阿寒湖を目指そうとしたのか?女優・宝生舞が案内人として、残された絵を手がかりに、半世紀前のロマンティックなミステリーに挑む。1996年作品。

【内容】
「その絵は、純子が生きた理由と阿寒で果てた意味を知っていた」
加清純子の姉・冬子さんは、小説の中で独り歩きをする“本当の純子の生きた証”を残そうと、全国に散った作品を執念で探した。
番組では、半世紀ぶりに甦った絵と、それにまつわる物語から、妖精のように多くの人々に愛され、小悪魔のように渡辺淳一少年を翻弄した天才少女・純子を浮き彫りにする。そして純子との出会いから「愛と性」の文学の道を歩むことになった渡辺淳一の原点をも探る。純子の駆け抜けた青春を検証し、彼女が最後に見た阿寒の風景を明らかにした案内人・宝生舞は、虚実の中で限りなく純子そのものに近づいていく。
取材は1995年5月から開始、冬子さんと共に1年以上に渡り、純子の絵の行方を追った。厳寒の阿寒湖での撮影では、黒いコートを着て湖畔に立つ宝生のバックに白く凍りついた雄阿寒岳が、“あの日”純子が最後に描いた風景画と同じようにそびえており、まるで彼女の死の秘密を唯一知っているこの山が、何かを語りかけているかのようだった。そして宝生は、純子が残した阿寒でのミステリーについて、ひとつの確信を掴むことになる。

番組基本情報

  • 制作年 : 1996年
  • 全話数 : 1話
  • 制作 : HBC
  • プロデューサー : 浅井純一
  • ディレクター・監督 : 土生徹
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