その日、シュガーが広場の噴水で遊んでいると、突然機材を山積みにしたトラックが入ってきて、びっくり！
他にも、商店街では屋台が並び始めたり、家々の窓辺や玄関には、飾り付けがなされたりしているのでした。

「サガ、サガ〜！大変、大変！！」

シュガーがそう叫びながら家に戻ってみれば、サガも沢山のクッキーを焼いています。

聞けば、明日はミューレンブルグ祭。

「みゅーれんぶるぐさい？」

「昔の話だけどね、病気になってしまったお母さんのために、子供たちが手作りのクッキーを作ったの。そのクッキーを食べたら、お母さん、見る見る元気になって病気が治ったんだって――。」

そして、それにならってこの時期にお祭りを開き、子供たちは、普段お世話になった人達に感謝の意を込めて、クッキーを配り歩くのだというのです。街が騒がしいのもそのせいで、サガもその準備のために、クッキーを焼いているのでした。

そして翌日――
町中の賑わいに、お祭りが初めてのシュガーは大はしゃぎ。
家ではサガが、初めて見る民族衣装を身にまとっていました。
またまた驚くシュガーに、

「お祭りの日は、昔の服を着て遊ぶことになってるの。」

「わぁ......オモシロソーッ！」

「ふふふ......さ、行こっか！」

そしてサガは、シュガーと一緒にクッキー配りに出かけるのでした......。