ミューレンブルグの動物病院。その窓辺のプランターが、ペッパーの居候先なのでした。
今日も雀に起こしてもらい、その後、動物病院のみんなにあいさつをしてまわるペッパー。

と、その日は、朝から診察が――。
ゾウガメの子供が、元気がないと連れてこられたのでした。

「初めまして。私、ペッパーと申します。あなたのお名前は?」

そのゾウガメくんにも律義に挨拶をすると、カメくんは、ランスロットと名乗るのでした。
そして、続けて、

「きゅうきゅうきゅう……。」

「え？　私に頼みがあるんですって?」

果たしてその願いとは……何と、「空の飛び方を教えてくれ」だったのです！！
何でもランスロットは、どうしても空が飛びたくて、思い詰めた結果、飼い主に病気と間違えられるほど、元気がなくなってしまったのでした。
当然ペッパーはその頼みを叶えてあげようとします。

「でもさ、カメさんてお空飛べるの?」

シュガーの問いにも、飛べますわ、とあっさりと答え、

「私は強い思いはどんな事でも可能にできると信じています……。」

そう、にっこり微笑むペッパーなのでした。
そして、シュガーとソルト、更にはサガも巻き込んで、『カメさん飛ばす作戦』が開始されたのです!

診察の目を盗んで、カメさんを檻から連れ出し、特訓が開始されたのでした!!