ミューレンブルクの街に住むサガは、まだ11歳だというのに働き者でしっかり者の女の子。面倒見もよく、みんなから頼りにされている人気者です。母親とは死に別れてしまったけれども、そんなことはおくびにも出さず、その日も朝から元気イッパイなサガなのでした。

早朝からバイト先のコーヒーの配達をして、朝食を食べに家にいったん戻ったあと、すぐまたルキーノさんのお店『リトルミィ』でアルバイトをしに戻ります。 その後買い物をお昼までにすませて、友だちのノーマとアンヌと12時30分に待ち合わせてウィンドウショッピングとランチ。途中、公園で30分の休憩をはさんだと、3時50分にはみんなと別れて――と、今日も今日とてキツキツのスケジュールです。

合間合間に同級生のグレタのちょっかいが入りますが、そのスケジュールを難なくこなしていくサガ。

スケジュールを立てるのはお手のもの。即決断・即行動！無駄のない完璧な計画を立ててそれをこなすのが、サガのモットーなのです。
友だちからも「サガと一緒にいると、何でもすぐ決めてくれるから頼もしい。」と言われてしまうぐらいなのでした。

そんなサガが見つけてしまったのは……季節使いの少女だったのです。

その日の夕方、楽器屋でアルバイトをしているポールに、店長のいないすきにピアノを弾かせてもらいました。その帰り、雨に降られて軒下で雨宿りをしていると……

……ギュルルルル〜〜〜ン……

変な音のするほうをふと見ると、人形のように小さな女の子が、木箱の上に座っているではありませんか！

「――！？」

そしてその少女が、サガのほうを振り向いたのです……！

――これがサガと雪使いの少女シュガーとの出会いなのでした。