* 第十二回 *

・テレビ【てれび】
(1) とりあえず、部屋に入ったら必ずつけなくてはならないもの。そういえばこのお正月は、あんまり面白い番組やってなかったですね。関東圏の地上波では、『シュガー』もやってませんでしたし。でもたとえ、見たい番組とかなくてもつけちゃうんですよね、テレビ。普通そうでしょ? え、違う? そんな事してない? してるのオレだけ? ホントに? ……ケッ! どうせオレはどうせさみしいよ! 帰ってきて声でもしねーとさみしいんだよ! 孤独だよ! ひとりもんだよ! 空しいよ!! あんまりさみしーもんだから、テレビとかつけてお天気お姉さんが「今夜は少し寒くなりそうです」とか言うと、「そう、ホントに。で、どのくらい寒くなりそう? 雪とか降るかな?」とかテレビに向かって話しかけたり、「さあ、今日もご苦労様。ブラウン管も疲れたでしょう。お風呂、わかしてあるからね」とか言ってねぎらったり、あまつさえ「さあ。寝ようか、お前」とか言ってベッドの中に誘ったりとかしちゃうよ! って、ウソです。すいません、調子に乗りました。さすがにしません。そこまで。
(2) ちなみに、『シュガー』の世界の中には、〝テレビ〟は出てきません。ラジオやピアノは出てくるんですけど。そういう世界観なんです。ほら、テレビとか出すと、ちょっと現実っぽくなっちゃうじゃないですか。で、そういうとこを避け、作品の〝夢〟の部分を壊さないようにするための配慮なんです(本当)。テレビ、出てこなくて、本当にすいません。って、私、何を謝ってるんでしょうか。
でも、やっぱり謝っとかないと、「何だよ! 今回こそ、〝テレビ〟が登場すると思ってたのに! いつになったら出てくるんだよ! あーもーがっかり!!」といった苦情のメールが、山のようにTBSに殺到するとか!
……するわけありませんね。
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