インタビュー

小泉孝太郎さん

このドラマのお話を聞いたときのお気持ちは?

一視聴者として観ていたドラマですし、まさか自分が出演することになるとは思ってもいなかったので、本当に驚きました。話を聞いたとき、佃航平さんに対して何か協力する側なのかなと思ったらその逆で、ライバルの椎名という役だと聞いて、またびっくりでした。
とても人気のある作品だということは肌で感じていましたし、また椎名というキーパーソンを演じると聞いて、作品が台無しにならないよう、ヒールとしてしっかりと嫌われるよう覚悟はしました。

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演じられる椎名という男はどんな人物だと思いますか?

出演の話をいただき、それから「下町ロケット2」の原作を発売される前に読ませていただきましたが、「自分がこんな役を演じるのか!?」と思ってしまったほど、椎名はヒールや悪人というより“最低”な人間といっても言い過ぎではないと思います(笑)。自分の身の回りに椎名のような人物がいたら、関わりたくないですね。
そんな最低な男ですが、別な切り口で言うと、現在は社長として会社の業績を上げているという実績を考えると、強い上昇志向を持った男だと思います。NASAで仕事をしていたという自負もあるでしょうし、自分だったら親の会社を継いで中小企業のトップに立ち、さらにそこから大きなステップアップを実現できると考えているはず。
とても自信家で強い野心を持っている椎名ですが、その境遇は佃社長と似ているんですよね。佃さんは宇宙科学開発機構から実家の町工場を継いでいますし。そんな二人の決定的な違いは、仕事のやり方や手段だと思うのですが、その対比がまたおもしろい。佃さんは、まず人と向き合って“人の心”に突き動かされるじゃないですか。でも、一方の椎名は超合理主義的な考えの持ち主で、儲かる仕事だったら何でもやるというスタンスだと思います。そこには、人情などどいう余計な感情は入らない。
それこそ“水と油”に例えられるぐらい真逆の二人ですが、ある意味、その対比というのはこのドラマのおもしろさの一つだと思います。

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そんな椎名を演じる上で気をつけているポイントというと?

椎名に対して共感する部分が全くないと言っていいほどですが(笑)、唯一、椎名という男を認める部分というと、仕事に対しての“ハングリ−精神”だと感じているので、そこの部分は大切にしつつ、佃航平という人物と対比しながら、楽しんで演じています。
それと、衣装合わせのときに「椎名って笑ってもいいですか? この人といるときはこう見えるといったように、多面性を持たせたい」という話を福澤監督にさせていただき、「ぜひそうしてください」と言っていただいたことで、椎名という人物像がイメージできました。それ以前は、ある程度カチッと作り上げた方がいいのかな…という迷いがあったのですが、実際に撮影が始まってみると、いろんな面を出すようにしてよかったなと感じています。
椎名の悪い部分は、いわゆる正義に対しての悪の存在という誰にでも分かりやすい“悪”を放つのではなくて、ジワジワと悪い部分が見えてくるものなので、ドラマが進んでいくにつれ、椎名のずる賢さや人として酷いと言われるような部分を少しずつ積み上げて、最後に「椎名って最低の人間だったね」と言われるように演じられればと考えています。今まで、どちらかというと良い人ばかりを演じることが多かったので、この椎名を演じることは、僕の中でのチャレンジでもあると考えているので、とにかく悪い余韻を残したいですね(笑)。

主演を務める阿部寛さんの印象というと?

大河ドラマでご一緒させていただいて以来ですが、何かハリウッド俳優に通じるものがあるというか、日本人離れした存在感をお持ちの方だと思います。それこそ、背も高いので目線が違いますし、ほかの俳優さんにはないものを感じさせてくれる方ですが、いわゆる天然っぽさもお持ちで、演じてらっしゃる佃航平さんという人間像に重なるところです。

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これからの撮影で楽しみにされていることというと?

佃さんは別として、佃製作所の方々とお会いする機会はそうそうないと思うのですが、椎名の身内とも言えるサヤマ製作所の社員の月島さんや、自分がヘッドハンティングしてきた中里さんなど、自分の部下と向き合うとき、椎名がどんな態度、行動をとるのか? たぶんそれは、佃さんとは真逆の方向を向くでしょうし、後半にかけて椎名もドンドン追い込まれていくと思うのですが、そうなったときに、椎名という男の本質が噴出してくるはずなので、そこは楽しみにしているところです。

初の参加となる福澤監督の“ジャイ組”の撮影はいかがですか?

『ペテロの葬列』で共演させていただいていた峰竜太さんから、「小泉君、一度は福澤組を経験するといいよ!」と、いろいろお話を聞いていましたが、実際にその通りで噂に違わぬ現場だなと思いました(笑)。ものすごく集中力を問われるので、本当に大変です。スポーツで例えるなら、試合前にみんなでストレッチや準備運動をするのが普通ですけど、ジャイ組は、撮影現場に入ったら即試合! みたいな感じでしょうか。テストの段階からカメラを回して撮っていくので、それまでの下準備をキチンと事前に、自分自身で用意しておかないと撮影についていけないと思います。
正直、体力的にも精神的にもキツイですが、自分にとってはとても貴重な経験だと感じています。

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最後に、このドラマのどんなところを観ていただきたいとお考えですか?

佃さんと椎名という人物を見比べたときに、視聴者のみなさん、男性も女性も含めてどう感じてもらえるか? そこは重要だと感じています。それは、単純に正義と悪ではなくて、佃さんと椎名の“男の生き様”ですよね。なので、椎名という男の生き様を演じなければならないと考えていまして、それが結果として正義と悪に見えるのだと思います。
どんな仕事でも悩みはつき物ですし、大変なところもたくさんあって、困難に直面することがあると思いますが、そんなとき、心の持ち方に関して、佃航平という人間を見ているとハッとさせられる部分がありますよね。生きていく上で大切なことが、このドラマにはたくさん詰まっていると思います。
“ガウディ計画編”の原作を読んだとき、思わず拍手をしたくなるような終わり方だったので、このドラマをご覧になったみなさんにも「いい作品だったね」と思っていただける要素はたくさん詰まっているはずなので、たくさんの方に楽しんでいただけると嬉しいです。

土屋太鳳さんがお届けします!下町ロケットニュース!

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