エネルギー政策の将来像は?

参議院選挙は投開票まであと3日となりましたが、去年の衆議院選挙とは一変しまして、多くの政党はエネルギー政策について正面からは訴えていません。国の根幹をなすエネルギー政策の将来像が見えてこない中で、独自に再生可能エネルギーへの取り組みを進めている人々や、再稼働を待つ原発の町などは、この選挙をどのように見ているのでしょうか。

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さんさんと照りつける太陽のもと笑顔のお母さんと子どもたちが見上げる先にあるのは発電用の風車です。

「大きい、初めて」(相馬実篤くん)

長男、実篤君と風車の見学会に訪れた相馬さん。東日本大震災後の停電で再生可能エネルギーに関心を持ったといいます。

「こういうのも電気になっているんだなと、すごく実感しましたね」(相馬留美さん)

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見学会を主催したのは、再生可能エネルギーを促進する目的で大手電力などが出資し、設立した会社です。再生可能エネルギーを気軽に支援できるようにとこのカフェで新たなプランも始めました。 このセットを注文すると、代金のうちの100円分で再生可能エネルギーを購入したことになのです。

「こういうのがあるのならどんどん協力したいなあって」(相馬留美さん)

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そんなお母さんたちの間で、再生可能エネルギーへの関心は高まっているといいます。

「環境を壊さずに受け継いでいってあげたいので、エコ関連には興味があるのでそういう情報は知りたいです」(6歳と4歳児の母親)

ラストスパートに入った参院選。しかし、原発再稼働の問題や再生可能エネルギーの普及策も含めエネルギーが大きな争点とは言い難い状況です。

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政府では、国の今後の指針となるエネルギー基本計画について議論が行われていて年末の改訂を目指しています。 ところが、国の電力全体をどのような割合で原子力や火力、再生可能エネルギーなどからつくり出すのか。その具体的な割合については先送りする方針を固めていて、エネルギー政策の将来像が描かれていない状況です。

こうした中、政治に頼らずに自ら現実を変えていこうと動き始めている地域もあります。

「ここ(小田原)は箱根の入り口になるが、全くお客様がいなくなる状況」(「鈴廣かまぼこ」鈴木悌介副社長)

小田原市の老舗かまぼこ店で副社長を務める鈴木さん。 福島第一原発の事故直後、現場からおよそ300キロ離れているにもかかわらず客の姿が消えていました。さらに、計画停電の際に、生ものである商品の扱いに苦労した経験から、1つの思いを固めました。

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「自分がやれることをやっていこうじゃないか」(「鈴廣かまぼこ」鈴木悌介副社長)

一念発起して経営者仲間を募り、地元24社の共同出資で再生可能エネルギーをつくる会社を立ち上げました。小田原市民からも出資を募り、この1.8ヘクタールの土地に太陽光パネルを敷き詰め、一般家庭330軒の1年分の電力を発電して売る計画です。

「エネルギーを他人事にせずに自分のこととして考える。意識がだいぶ 芽生えてきているのではないか」(太陽光パネルを普及させる志澤昌彦さん)

地域で自らの手によるエネルギーを模索する鈴木さんたちは、選挙に何を求めているのでしょうか。

「政治を諦めたつもりは全くないのですが、(候補者が)原発やりたいとかやりたくないとか言った瞬間に反対賛成が出ちゃう。少なくとも半分は票を失う危険性がある。だから(候補者は)言えない」(「鈴廣かまぼこ」鈴木悌介副社長)

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再生可能エネルギーへの取り組みを加速してほしいという思いがあるだけに、今回の選挙を冷ややかに見つめていました。

稲の先に原発が見える佐賀県玄海町。九州電力が先週、玄海原発の安全審査を申請する中、原発の町では新たな動きも起きていました。

玄海原発から目と鼻の先にあるこちら、次世代エネルギーの普及と促進を目的にした新しい施設が間もなくオープンします。

「ここでは自然エネルギーの代表格、「太陽光」について体験してもらおうと思う」(寺井徳雄館長)

この施設、総工費の3分の2、10億円を原発対策の交付金からつぎ込んでいます。

「将来の子どもたちに、いろんなエネルギーがあるよということを教えていくのが役目だと思ってます」(寺井徳雄館長)

ただ、生まれも育ちも玄海町。原発と育ったという館長の思いは複雑です。
  「新しい安全基準に向かって審査しているので、合格すれば地元の了解必要と言うが運転してもらいたい」(寺井徳雄館長)

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佐賀・唐津市にある「玄海活魚」。
  「こちらはイカです。水中ポンプを24時間回しっぱなしです。かなり電気を使うのです」(「唐津上場商工会」古賀和裕会長)

商工会の代表を務める古賀さん。経済の立て直しには、原発の再稼働が不可欠と言い切る一方でこんな真情を吐露します。

「今回(玄海原発が)止まったと、いつ再稼働するか分からないなかで(原発との)「共存」ではなくて「依存」だったという・・・」(「唐津上場商工会」古賀和裕会長)

「依存から抜け出したい」そう願うがゆえに、エネルギー政策について議論が盛り上がらない今回の選挙に歯がゆさを感じています。

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「肝を据えて日本の将来を見据えたときに、『こうじゃないといけない』ということを明確に言っていただきたいと思う。エネルギーは全ての源ですから」(「唐津上場商工会」古賀和裕会長)

再構築を避けて通れないエネルギー政策。将来を見据えた議論と判断が求められています。

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