5原発の安全審査開始、参院選で原発再稼働問題は

原子力規制委員会は、原発の再稼働に向けた安全審査の申請があった5つの原発について、新しい規制基準に適合しているかどうかを確認する初めての安全審査を16日、始めました。

自民党が安全が確認された原発の再稼働を掲げる中で、「脱原発」の急先鋒である民主党の菅元総理は、2年前に自らの判断で停止させた静岡県の浜岡原発に乗り込みました。

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「やっぱり、あれから菅おろしが激しくなったんだよ」(民主党・菅元首相)

2年前、民主党・菅政権の末期に東日本大震災を受けて停止を決めた浜岡原発。

賛否両論を巻き起こした政治判断の現場を、菅元総理が初めて訪れました。

「安全対策を強化した」という中部電力に対し、菅氏は・・・

「いろんな手を打っている。確かにね、壁もある・・・。全部個別対応に対していろいろやってるのかもしれないけれども、それでもその想定を超えた問題が起きるかもしれない。起きたときにどうなるかという想定をきちんとしないで、起きないようにしていますというのは、それはもう福島と同じ」(民主党・菅元首相)

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「我々としては、まず事業者ですから“(事故を)起こさないための対策”をしますし、事故というのは、なかなかゼロにはできないのは確かでございます。しかし、それをいかにリスクを下げるか」(中部電力)

「ゼロにするなら無くせばいいじゃない。原発を無くせばいいんじゃない。ゼロだよ。そう言ってるんだよ」(菅元首相)

「わかります。だから我々としてはやっぱり、使えるものは使いたい」(中部電力)

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浜岡原発は、依然として再稼働の見通しは立っていませんが、そんな中、海側では津波対策としてコンクリートの壁を高くする工事が行われています。

浜岡原発は再稼働できるのか。

地元では、この参院選で自民党が勝利すれば、その機運が高まるとの見方があります。

「今、みんな回る(再稼働する)と言ってる。あと2年ぐらいで回ると。自民党政権になったので 回る(再稼働する)と思ってる」(地元のタクシー運転手)

一方で、原発問題はこの地域でも参院選の大きな争点にはなっていません。

菅元総理は、原発問題に対する自民党の姿勢をこう分析します。

「争点隠しをしようとしているよね。この原発問題に対しては自民党が。経済の話ばかりで、うまくいった、うまくいったと。あとで原発が再稼働された時は、もう手遅れだというふうに持っていこうとしていますよね」(菅元首相)

その自民党、確かに安倍総理も各地の遊説では原発にはほとんど触れていません。

そんな中、選挙戦でこの問題を強く訴えている自民党議員がいます。

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「安全を確保した上で原子力発電所を稼働する、そしてこの日本の経済成長に資する・・・」(自民党・高木毅衆院議員)

高木毅氏。自民党議員106人が名を連ねる電力安定供給推進議連の事務局長です。

「原子力発電所が止まっていることにおいて、なかなか私たちの地元の景気、厳しい状況にあります」(自民党・高木毅衆院議員)

高木氏の地元、福井県は全国最多の原発を抱える経済事情があります。

美浜原発を抱える町では、原発の稼働停止以来、経営難に陥る旅館やタクシー会社が相次いでいます。

「(客が)3割4割も減りましたね。辞めていく運転手も多いですね」(タクシー運転手)

「売り上げが8割も減った」という旅館の女将は、福島の現状には胸が痛むとしつつも再稼働への期待を口にします。

「電力を福井県から送れるようになって、こちらも活気を取り戻せれば一番いいかなと」(旅館たなべ・田辺由美子さん)

こうした事情を背景に、自民党候補は原発の重要性を主張。

民主党や共産党などの候補との違いを念頭に、高木氏の応援にも力が入ります。

「まさに、私の弟分として一緒にやってほしい。福井のど真ん中で原発は必要だと言っているんですから、こんなありがたいことないですよ。僕でもなかなか言えないぐらいですよ、本当に」(自民党・高木毅衆院議員)

高木氏は、見通しすら立たない状況に地元の不安が強いとして、まずは再稼働の可否を決める安全審査を早く進めてほしいといいます。

「別に再稼働を前のめりに言っているんじゃなくて、早くとにかく結論を出していただきたいということです」(自民党・高木毅衆院議員)

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「福井の皆さん、こんにちは。コシヒカリ、知らない人は新潟のお米だと思っているが、コシヒカリをちょっと勉強すると、この福井県、ここでつくった」(安倍首相)

やはり原発問題には触れませんでした。

「ちょっと残念。原発に触れてほしかったね。福井は“原発県”ですから。ちょっとだけでも、ちょっと触れてほしかったですね」(演説を聞いた男性)

自民党が参院選で原発問題を避けているとの見方に対し、高木氏は・・・

「選挙公約でしょうか、そういったようなところでも、『安全が確認されたものは地元の理解を得て再稼働していく』と書いてございますので、私はそういうことで総理もあえて触れていないのかなと思います」(自民党・高木毅衆院議員)

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原発問題を最重要テーマとして訴えていないのは、民主党も同じ。海江田代表の演説も、経済問題が中心です。

そもそも各党の主張は、明確に有権者へと伝わっているのでしょうか。

「他の野党は『いつかは原発ゼロ』というようなことを言っていますけど、自民党は決してそういうことは言っていませんので。ですから、それもあって国民がどのように判断するかと」(自民党・高木毅衆院議員)

「『ゼロにする』というところが重要なわけです。民主党は『ゼロにする』ということを明確に政権を持っていたときから言っていたわけです。自民党と民主党の対立軸は非常に明確なんです」(菅元首相)

浜岡原発の地元で聞きました。

(Q.原発政策で自民・民主の違いは?)

「分からないですね。結局みんな同じことを言ってるような感じ」(家族連れ)

「原発問題は争点にすべき。原発に近い人は関心あるが、遠い人はあまり関心ないのでは」(男性)

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世論調査では、原発の再稼働に反対する人が賛成を上回る一方、参院選で重視するテーマとしては原発問題は5位にとどまっています。

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