中国・韓国との"友好"は・・・自民「ハト派」議員の苦悩

首脳会談が行われないなど、中国や韓国とぎくしゃくした関係が続く中、自民党内には複雑な思いを抱える議員の姿がありました。

先月12日、東京・多磨霊園に自民党議員らが集まりました。花を手向けたのは、大平正芳元総理の墓。この日は大平氏の命日で、「宏池会」と呼ばれる自民党・岸田派に所属する議員たちが墓参りに訪れたです。生前、宏池会の会長を務めていた大平氏は、外務大臣時代、当時の田中角栄総理とともに中国側と交渉を行い、日中国交正常化を成し遂げました。

「国際社会で日本のリーダーの果たすべき役割と、これを明確に、そして勇気をもってなさったのは、大平さんだと思いますね」(元自民党幹事長・古賀誠氏)

宏池会は、伝統的にアジア外交重視といった政治信条を持つ、いわゆる「ハト派」の議員が集まる派閥で、今回の墓参りを企画した2人の新人議員も、そうした伝統に共感し、入会したといいます。

「大平総理が目指してきた日中国交正常化の歴史も含めて、そういう政治哲学を見直すところから、そのヒント、指針が打ち出されてくるんじゃないか」(宏池会(岸田派)・國場幸之助衆院議員)

野田政権が尖閣諸島を国有化すると決定したあたりから海洋監視船による領海侵犯などを頻繁に繰り返してきた中国に対し、安倍政権は毅然とした姿勢をとり続けています。

「これでも政府の対応や発信が弱腰だと言われる。国民はそれだけ中国に対して怒っているんだろう」(官邸筋)

内閣府が去年発表した世論調査で中国に「親しみを感じる」人が過去最低を記録するなど、日中関係が悪化する中で、「宏池会」の2人の新人議員は党内で自分たちのような「ハト派」の声が小さいことに葛藤を抱えています。

「今の政権の今の考え方からすると、確かに、いわゆる主流の考え方ではないだろうという思いはあります」(宏池会(岸田派)・武井俊輔衆院議員)

彼らの危機感の背景にあるのが、派閥トップの不在です。現在、宏池会の2トップである岸田会長と林座長は、それぞれ外務大臣と農水大臣を務めていますが、派閥内では不満の声が上がっています。

「少なくとも、どちらかは閣僚を外れた方がいい。冷や飯を食っても、安倍総理とは異なる外交姿勢を主張すべきだ」(宏池会(岸田派)議員)

こうした声に、当事者である岸田外務大臣はどう答えるのでしょうか?今週、ASEAN外相会議に出席した大臣を直撃しました。

(Q.派閥の中には、岸田さんか林さんのどちらかが戻ってきてほしいという声があるが?)
「至らない点があれば、謙虚にそういった意見に耳を傾けながら、最大限努力していきたいと思います」(宏池会会長・岸田文雄外務大臣〔先月30日〕)

この会議の中で、9か月ぶりとなる韓国との外相会談を行った岸田氏。しかし、中国との会談は実現しませんでした。

「宏池会の先輩方、アジア外交において努力をした歴史を振り返りますときに、やはり、基本は人と人との信頼関係ではないかと思います。日中、日韓、それぞれの両国関係を進展させるべく、努力していかなければいけない」(宏池会会長・岸田文雄外務大臣〔先月30日〕)

一方、アメリカでは、今の日本の外交姿勢はどのように受け止められているのでしょうか。先月下旬、官邸で安倍総理とも面会したプリンストン大学のフリードバーグ教授は、こんな見方を示しました。

「米国側の観点からすれば、安倍政権の政策、特に日米同盟は良好であり、賢明で希望にあふれたものと受け止められています」(プリンストン大学・フリードバーグ教授)

また、日本と中国の関係については・・・

「尖閣問題をはじめとする問題をめぐって日中関係の緊張状態をより高めてきたことは、中国側により責任があると思う」(プリンストン大学・フリードバーグ教授)

ただ、安倍政権の歴史認識については「懸念がある」と語り、次のように注文をつけました。

「他の民主主義国家、特に韓国との関係を緩和させるためにも、日本が歩み寄る姿勢を見せることが日本にとって長期的な利益になると思います」(プリンストン大学・フリードバーグ教授)

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