2008年4月19日(土)スタート土曜よる7時56分
スペシャルコンテンツ「川藤 “格言” 語録」
Vol.10 第7話より
「断じて行えば鬼神もこれを避く」
第7話より、目黒川高校へ練習試合にやって来たニコガクナインに対して、川藤が言った言葉。これは中国前漢時代の歴史家、司馬遷によって編纂された歴史書「史記」の巻87「李斯列伝」に表されているもので、「強い意志を持って物事に取り組めば、鬼神(=道を阻むものの意)も邪魔はしない」という意味。出典は異なるが、第5話で川藤が言った「精神一到、何事か成さざらん」と同意と捉えて問題ないので、TPOに合わせて使い分けることで、「ボキャブラリー豊かな人ね!」と思われること間違いなし(…かも)。また、使い分けにバリエーションを持たせたい場合、同意として使える「一念岩をも通す」「念ずれば通ず」なども覚えておくといいだろう。
ちなみに、「史記」について補足しておくと、「本紀」12巻、「表」10巻、「書」8巻、「世家」30巻、「列伝」70巻から成る紀伝体の歴史書だということを押さえておけば、ほんの少しだけ知識に深みが出ること間違いなし(…かも)。 ちなみに、“紀伝体の歴史書”ということについて補足しておくと、紀伝体とは歴史書の書式の一つで、皇帝や王に関した記述の「本紀」、貴族や家臣に関した記述の「世家」、名の知れた家臣の活躍ほか民俗などに関した記述の「列伝」、各種の年表の「表」などで構成されているのが特徴だということを押さえておけば、ほんの少しだけ知識に深みが出ること間違いなし(…かも)。
また、この「史記」の中には、故事成語としておなじみのものが多数表されているので、その一部をピックアップして紹介してみよう。
「酒池肉林」巻3「殷本紀」、巻123「大宛列伝」より
「酒を以て池となし、肉を懸けて林となす」ということから、お酒や食べ物がたくさん並ぶ贅を極めた酒宴のこと。例:昨晩の飲み会はまさしく酒池肉林だったね。
「百発百中」巻4「周本紀」より
百発打ってそのすべてが命中すること。例:あそこの占いは百発百中でよく当たるね。
「先んずれば人を制す」巻7・項羽本紀
誰よりも先に事を行えば有利な立場に立てるという意。例:何事も“先んずれば人を制す”だよね。
「四面楚歌」巻7「項羽本紀」より
周囲に見方がいなく孤立してしまうこと。例:あの人は言葉が過ぎて四面楚歌の状態だよね。
「忠言耳に逆らい、良薬口に苦し」巻55「留侯世家」、巻108「淮南衡山列伝」より
本当に自分のためとなる忠告は聞くのが辛いという意。例:ホント、分かってはいるけど、良薬口に苦しだよね。お恥ずかしい…。
「傍若無人」巻86「刺客列伝」より
「傍(かたわ)らに人、無きが若(ごと)し」ということから、自分勝手に振舞う状態を言う言葉。例:彼の行動はまさしく傍若無人だよね。
「国士無双」巻92「淮陰侯列伝」より
麻雀の役満貫の一つ。または、その国で二人といない特に優れた人物のこと。例:まだ国士無双で上がったことがないんだよね。
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