コンテンツへジャンプ

ここからコンテンツです

スペシャルコンテンツ「川藤 “格言” 語録」

Vol.06 第5話より

「怒りは無謀を以って始まり、後悔を以って終わる」

用賀第一高校との練習試合で、相手ピッチャーからビーンボールを受け怒った若菜に対して、それを制止するために川藤が言ったピタゴラスの名言の一つ。その意は読んでそのまま、にわかに起こった怒りは無謀な行動を生み、いずれ後悔をすることとなるということ。そのような後悔をしないよう、常に平常心、冷静さを忘れたくないものだ。

この名言を残したピタゴラスとは、数学の「ピタゴラスの定理 (=三平方の定理)」といった、数学に関係するさまざまな定理を発見したことで知られる、古代ギリシアの数学者・哲学者 (紀元前582 〜 紀元前496年没)。エーゲ海に浮かぶサモス島に生まれたピタゴラスは、“ギリシア七賢人” の一人、タレスを師事し勉学に励み、後にピタゴラス学派 (=ピタゴラス教団) と呼ばれる学校を開き、数学や哲学などを弟子たちと研究。万物の根源 (=アルケー) を「数」とし、さまざまな定理を発見することとなる。しかし、ピタゴラスの定理は本人が発見したものではなく、学派によるものとされている。

また、ピタゴラスは「数秘術」という占術の創始者ともいわれるが、その真偽は定かではない。「数秘術」とは、西洋占星術や中国の易学といった占いに並ぶ占術で、固有の算術に基づき運勢などを占うもの。許された者のみに口頭伝承されてきたという秘術だ。

ここで、今回取り上げた「怒りは無謀を以って〜」以外のピタゴラスの名言を、いくつかピックアップして紹介しておこう。独自の学派を立ち上げた賢人なだけに、現代社会に生きる人間にとっても心に響くものがあるはずだ。

「必要性とは、可能性の隣人である」
「万事に先立ち、汝自身を敬え」
「自制することのできない人間を自由の人と呼ぶことはできない」
「妻は夫と寝るときには、下着と一緒に羞恥心も脱ぎ捨てなくてはいけない。しかし、再び下着を着けるときには羞恥心も取り戻さなくてはいけない」。

photo