2008年4月19日(土)スタート土曜よる7時56分
スペシャルコンテンツ「川藤 “格言” 語録」
Vol.05 第5話より
「精神一到、何事か成さざらん。」
用賀第一高校との練習試合で、8対8と同点に並んだニコガクナインの健闘を指して川藤が言った言葉。出典は、中国は宋の時代の儒学者である朱熹 (しゅき 1130 〜 1200年没) の言葉を弟子たちが書きとめて編さんされた『朱子語類』から。精神を統一して一所懸命に頑張れば、成し得ないことなどない、必ずできるという意味の言葉。川藤の「夢をあきらめるな!」に通じるところのある言葉だ。
また、「精神一到〜」と同じく、強い信念を持って努力すれば成し遂げることができるという意味の「一念岩をも通す」という言い回しもあるので、蛍光ペンでチェックをしておくこと。この言葉は「一念」の前にいろいろな単語を置いても使われ、「水の一念〜」や「思う一念〜」などがよく知られるところだが、「女の一念〜」とすると、“女性は執念深いもの” という意味合いに変化するので、要所を押さえて使うようにしてほしい。
ちなみに、朱熹が説いた朱子学とは、孔子に始まる儒学を集大成させたもので、宇宙を「理」として、そこから生じる陰陽の「気」により物事が左右されるという「理気説」を基本に、人格や学問を追求するための実践道徳を唱えたもの。「理」とは、道理や真理を含め形而上的な普遍性を指す言葉で、「気」とは、万物の現象を意味するものだ。
なお、この場では簡単な説明にとどめるが、もし詳しく知りたい場合は、ぜひご両親に聞いてみてほしい。この質問をご両親にすることで、少しでも親子の会話が弾めば幸いだ。また、ご両親はこの質問に答えられるよう、予習をしておいていただき、事も無げにサラリと対応していただけると、ご両親の株が上がるはず…。
追記:全140巻からなる『朱子語類』は、鎌倉時代末期に日本へ伝来したとされる。朱熹と弟子たちがどんな問答をして、この書が編さんされたか気になる方は、ぜひ目を通してみよう。
photo