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スペシャルコンテンツ「川藤 “格言” 語録」

Vol.03 第3話より

「寛大は正義の花である」

乱闘騒ぎを起こしたニコガク野球部を、退学にするという村山に対して、川藤が言った言葉。この言葉を残したホーソーンとは、米国の作家ナサニエル・ホーソーン (Nathaniel Hawthorne・1804年〜1864年没) のことで、自身の境遇から善悪を扱った宗教的な内容の作品を多く執筆した人物。中でも「緋文字 (ひもじ)」は彼の代表作として知られ、そのような作風から、今回取り上げた言葉が生まれた。彼が言ったこの言葉が意味するように、いかなることに対峙しても、寛大さを持って接することができる「器の大きい人間」になりたいものだ。また、「悪を憎んで人を憎まず」と言った、江戸の火付盗賊改方長官 “鬼の平蔵” こと長谷川平蔵の言葉も、ホーソーンの言葉に通じる真理があると思うが、いかがだろうか。

ちなみに、“正義の花” と聞いて、その対極に “悪の花” という言葉を連想する方も多いと思われるが、“アクノハナ” といえば、フランスの詩人、シャルル・ボードレールの詩集「悪の華」をまず思い浮かべるはず。その耽美的、退廃的なテイストは、後の詩人や文学界に響を与えただけではなく、ゴシック&ビジュアル系バンドの源流にいたポジパン (ポジティブパンクの略) バンドにも及んだ。その一端は、群馬県が生んだビジュアル系バンドの源流に位置する BUCK-TICK の、4枚目のフルアルバムに「悪の華」と命名されていることでもわかる。

ちなみに、当コーナー筆者も、耽美的という言葉に一種憧れを持った過去があり、ボードレール詩集ほか、ジョルジュ・バタイユの「太陽肛門」「マダム・エドワルダ」、マルキ・ド・サドの「悪徳の栄え」、ジャン・ジュネの「泥棒日記」などを手にしてみた。が、高校生の頃の筆者には、少々ハードルが高すぎたようだ…。

話変わって「花」つながりで紹介すると、演歌の大御所、「都はるみ」が歌った「アンコ椿は恋の花」は、団塊の世代のスタンダードナンバーとして、あまり人も有名。また、Jポップファンの間では「くるり」の「バラの花」が知られるところ。曲は直接に知らなくとも、友人が歌うカラオケで耳にすることも多いはず。名曲だ。

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