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スペシャルコンテンツ「川藤 “格言” 語録」

Vol.01 第1話より

「夢は不満足から生まれる。満ち足りた人間は夢を見ない」

二子玉川学園高校へ着任した川藤が、朝礼のあいさつで安仁屋たち野球部のメンバーに向けて言ったこの言葉は、20世紀に活躍したフランスの小説家・劇作家で、20世紀仏文学の重要作家の一人として知られるアンリ・ド・モンテルラン (Henry de Montherlant・1896年 〜 1972年 没) が、女性問題を扱った4部作の一つ「若き娘たち」の中で書いたもの。

“夢” というポジティブなイメージのあるものを、“不満足” というネガティブな気持ちがあるからこそ生まれるという、ちょっとひねくれた発想がおもしろい。ちなみに、米国メジャーリーグで活躍する松坂大輔選手は、「僕は人生で “夢” は見ない。あるのは常に “目標” だけ…」と、「夢を見ない男・松坂大輔」という本 (吉井妙子著、新潮社刊) で語っているそうだ。松坂選手は相当に、満ち足りているのだろう…。

また、このモンテルランは、「夫婦が喧嘩するのはお互いに言うことが何もないからである。それは両者にとって時間をつぶす一つの方法なのである」「頭のいい男は良い夫ではありえない、なぜなら彼らは結婚しないから」という含蓄あふれる名言もよく知られるところ。機会を設けて、ぜひ積極的に使ってほしい名言だ。
参考までに4部作のそのほかを紹介すると、「女性への憐憫」「善の悪魔」「癩 (らい) を病む女たち」となっているので、お時間、お暇がある方はどうぞ。

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