消防の仕事早わかり図鑑「スーパーレンジャーとは?」

究極の救助部隊、それが『スーパーレンジャー』

大地たちが目指す 『スーパーレンジャー部隊 (特別高度救助部隊)』 とは、どのような集団なのでしょうか?

そもそも横浜市安全管理局 (横浜市消防本部) には、各消防署に救助専門の 『レンジャー (救助) 部隊』 があります。これは日々起こる火災や災害時に活動する部隊で、厳しい訓練を耐え抜いた者のみがなれる、消防職員の憧れの仕事です。

そんな屈強な隊員たちの中から、さらに選抜して編成されたのが 『スーパーレンジャー部隊』。つまり最強の隊員を集めた究極の救助部隊なのです。 彼らは、レンジャー部隊では対応困難な難易度の高い事故・災害時の救助活動を遂行するため、資機材や車両を装備しているのはもちろん、一人ひとりが豊富な経験と知識、強靭な肉体と精神力を持っています。

『レンジャー部隊』 も 『スーパーレンジャー部隊』 も、ともにオレンジ色の救助服を着ていますが、『スーパーレンジャー部隊』 にのみ許されているのが、右肩のワッペンと、左肩から下げた “白い飾り紐”、そして“白い靴紐”。しかも2本とも常に “真っ白” です。日々勤務しながら、2ヶ所の 『紐』 を常に真っ白な状態に保っておくのは面倒なこと。しかし、靴紐一本の汚れにまで注意を向ける心構えが、現場で救助活動を行うにあたっての注意力にもつながるという考えから、白紐が取り入れられたといいます。
オレンジの服・ワッペン・2本の白い紐が、『スーパーレンジャー部隊』 のシンボルであり、誇りでもあるのです。

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スーパーレンジャー隊員になるには

前述のように、まずは 『レンジャー隊員』 にならなくてはいけません。
しかし、その選考試験を受ける条件もとても厳しいもの。
所属長 (上司) の推薦のほか、横浜市安全管理局 (横浜市消防本部) では、レンジャー隊員の養成教育を受ける基準を以下のように定めています。

選考にあたっての基準

一般体力測定

  1. 腕立て伏せ:40回 以上
  2. 懸垂:15回 以上 (4秒に1回)
  3. 背筋力:150kg 以上
  4. 握力:左右各 45kg 以上

新体力測定の場合 (総合評価がAの者)

  1. 腹筋運動:30秒間に33回以上
  2. 長座体前屈:61cm 以上
  3. 反復横とび:20秒間に60点以上
  4. 立幅とび:260cm以上
  5. 20mシャトルラン (持久走):95回以上
  6. 握力:左右各62kg以上 (ただし、握力は左右とも45kg以上)
  7. 懸垂:15回以上 (4秒に1回)

要件

  1. 救助隊への配置を予定している者
  2. 救助隊員としての適正を有し、意欲のある者

レンジャー隊員養成訓練

どんなに悲惨で困難な災害現場でも、必ず要救助者を救い出す――。
そんな使命を背負うレンジャー隊員の養成教育は、非常に厳しく、精神的にも肉体的にも限界ぎりぎりのところまで追い詰められます。(※ どんな訓練を受けるのかは、中丸くんたちが身をもって再現していますので、本編でご確認ください)
ただし過酷とも言えるそれら訓練は、単なる “シゴキ” ではありません。
限界状態からどれだけ頑張れるか……。救助を諦めないという不屈の精神を持ち続けられるか…… という、精神力や気力を鍛えるためなのです。
約一ヶ月間の養成訓練で、レンジャー隊員に欠かせない強靭な肉体とタフな精神力を鍛えあげていきます。

スーパーレンジャー隊員への昇格

厳しい訓練を耐え抜いて、レンジャー隊員になった者たち。
しかし、その先のスーパーレンジャーに昇格できるのは、さらに一握りの精鋭だけです。
具体的に言うと、スーパーレンジャーになるための選抜試験はなく、以下の条件にあてはまり、なおかつ他より知識と経験があり、チームワーク精神も人格も素晴らしい者が任命されるシステムになっています。
つまり完全実力主義で、本人の能力と日々の努力によって、スーパーレンジャーへの道が開かれるのです。

昇格の条件

  1. レンジャー隊での経験が5年以上で指導力がある者
  2. 大型免許/潜水士免許/クレーン運手技能/酸欠作業主任者などの特殊な資格の取得
  3. 広域応援出場に理解及び意欲がある者

今回ドラマのなかでは、特例でスーパーレンジャーの臨時採用試験が実施され、大地たち消防隊隊員がレンジャー隊員を飛び越して、一気にスーパーレンジャー隊員を目指します。
でもこれはあくまでもドラマだけの設定。
実際の横浜市安全管理局では、このような特例の試験はないそうです。

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